働き方

根強い支持率の社内表彰の正しい使い方

投稿日:2015年12月18日 / by

ちょっとユニークで効果満点の社内表彰5選

年末が近づき、忘年会の舞台で社内表彰を行う企業も少ないだろう。古くて新しい、社内表彰制度。給与は横ばいだが、社員モチベーションアップの一大イベントとしての価値は錆びついていない。瓦版では、ちょっとユニークな社内表彰のシステムをピックアップしてみた。

“日本一平等な表彰システム”

頑張ったものが報われる--。社内表彰は、だからこそ、意義がある。とはいえ、売り上げの最前線で活躍する営業の様に分かりやすい部門もあれば、なかなかそうはいかない部門もある。これでは、社員の士気を高めるハズの社内表彰もマイナスに作用しかねない。エストコーポレーションの表彰制度は、“日本一万人に平等”といえそうな表彰の仕組みを導入している。

日本一平等な表彰制度は報奨もサイコロで決定

日本一平等な表彰制度は報奨もサイコロで決定

例えば、いつも笑顔で社員に元気を与える、いつも明るくオフィスを照らしている、いろいろなことを頼れる…。そんな、ちょっとしたこともしっかり表彰する。それを可能にしているのが、賞の設定の仕方だ。「笑顔が太陽で賞」、「頼られやすいで賞」、「褒め大臣賞」…など、能力に関係のないきめ細かい賞を、10以上も用意。いつも心では感謝している誰かが表彰されるため、社内は常にいいムードが漂っているそうだ。

毎月テーマが変わる表彰制度も

似たような制度には、岡本化成の「素晴らしいで賞」がある。こちらは、毎月、テーマを変えた表彰が行われ、いつか誰かにフィットする賞が来るというシステム。頑張りが表彰されるのは当然だが、目に見えづらく、なにより、業績に直接連動していない部門や職種は、なかなか評価の対象になりづらい。そこをあえて顕在化させることで、結果的に、売り上げの最前線との相乗効果も生まれ、会社全体の士気向上につながることが期待される。

社内での活動を評価ポイントに加算する仕組み

社内での各種活動をポイント化して、その総獲得数で報奨を与えるシステムもある。人と未来グループの「Pポイントカード」制度だ。ポイント上位3人が、景品をもらえる。ポイントを貯める、といっても難しいことはない。四半期に一回開催予定のイベントに参加すれば1,000ポイント、ありがとうカードを渡す、もしくはもらったら5ポイント。会社設置のエコバッグを利用して買い物に行き、ビニール袋を断ったら5ポイントなど、ポイント獲得は、社内での活動に自然に溶け込んでいるものが多い。

社内のエコバッグを使うとポイントがもらえるとは自分にも環境にやさしい

社内のエコバッグを使うとポイントがもらえるとは自分にも環境にやさしい

保有ポイントは社内専用サイトで随時確認できる。獲得ポイント数のトップ3は、各自が事前アンケートで申告した「好きなモノ」と交換できる。金額換算では、1位から順に3位までが、5万円、3万円、2万円相当の景品と交換が可能となっている。いまのところ、アンケートでは「海外旅行」、「ウェラブル端末」、「オーダースーツ」、「マッサージチェア」などが挙がっているという。会社での活動全般を楽しくしてくれる、ごく自然なタイプの報奨制度といえるだろう。

失敗を表彰? する制度の狙いとは

ささいなことも表彰する仕組みとは対照的といえる、ユニークな表彰制度もある。失敗を表彰する制度だ。その名も「大失敗賞」。太陽パーツが導入する。工場用部品、住宅用部材を製造する同社はある時、社員の失敗で大損失を出す。ボーナスも消失する失態に社内のムードは暗かったが、「ここで怒っては、さらに暗くなるばかりか誰も挑戦しなくなる」という社長の判断で、逆に賞を与え、リベンジ魂を刺激したのだ。思惑通り、社内のムードは一転明るくなり、損失はある意味で“最小限”に抑えられた。

営業成績で休みが増える“報奨”も

表彰とは少し異なるが、営業成績に連動し、“実質休み増”となる制度を導入する企業もある。人材サービスのシーエーセールススタッフだ。同社では、一定の成績をクリアすれば、出社扱いの休日が週一にプラスされる。完全週休2日なので週休3日というワケだ。有効期間は1か月、つまり毎月ラインをクリアする必要があるが、社員モチベーションはいい具合に高まっているそうだ。ちなみに、「実質休み」は一応、出社扱いのため。そうしているのは、「他の社員に気兼ねして休みづらいから」がその理由だ。もっとも、同社では、ゆくゆくは週休3日制に移行することを視野に入れている。

シーエーセールススタッフでは営業成績によって休暇が増える

シーエーセールススタッフでは営業成績によって休暇が増える

社内表彰制度の運営サポートサービスも登場

シンプルながら、社員のやりがいアップに効果をもたらす社内表彰制度は再脚光を浴びている。一方で、継続的に運営するノウハウがない、などの声も多いという。そうした中、先ごろ登場したのが、社内SNSを活用した社内表彰制度「BEAT AWARD」だ。Beat Communicationが開発した。同社が創業から10年以上に渡り、幅広い業種に提供してきたコンサルノウハウと社内向けに実施してきた表彰制度実施プログラムを体系化した。

同社によれば「いま、大手企業各社は厳しい競争の中でグローバル化とイノベーションが進んでいる。イノベーションを起こす有効施策のひとつして社内表彰制度が見直されている。弊社では運営ノウハウも含めたソフト面からの支援も行っていきたい」と社内表彰制度の新たな役割の萌芽を明かす。単に表彰するだけでなく、会社の利益に直接的に関与させる。まさに次世代型の社内表彰のカタチといえるだろう。

社員のやりがい向上からイノベーション喚起まで、さまざまな可能性秘める社内表彰制度は進化しながら、多様化が進んでいる。久しく閉塞感が漂う日本経済。そうした中で、社員一人一人のモチベーションをアップさせ、決起を促す社内イベントとして、社内表彰制度はその意義をますます高めていきそうだ。

仕事のモチベーションを上げる6つの方法

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について