働き方

試行錯誤と拡大を続けるパイオニア/ランサーズ

投稿日:2014年10月24日 / by

新しい働き方の浸透というゴールを目指して

クラウドソーシングなら日本最大級の「ランサーズ」

http://www.lancers.jp/

日本最大級のクラウドソーシングサイト「ランサーズ」。「新しい働き方の浸透」をビジョンに掲げ、大胆なアクションで、クラウドソーシング業界をけん引し、その潜在能力を引き出すべく、試行錯誤と拡大を続ける。

ネットの利便性を活用し、企業の業務委託をより手軽にできないか…。ランサーズは、秋好代表のそうした着眼が誕生の発端となっている。検索窓にキーワードを打ち込み、目的の情報にたどり着くように、仕事を頼みたい企業が、検索感覚で簡単にできる人・やれる人を探し、案件とマッチング。外注の仕組みを一変することで、仕事がより効率化され、受ける側のすそ野も大きく拡がるーー。ランサーズの描く未来には、そうした働く形そのものの変革がベースにある。

現状、仕事を外部に依頼する場合、目的を遂行してくれる委託先を見つけるのは至難の業だ。価格やレベルまで精査するとなると、それだけで膨大な時間がかかってしまう。クラウドソーシングは、そうした不便をネットの利便性を最大化し、大幅に改善するパフォーマンスを秘める。

ただし、クラウドソーシングが担うのは、ビジネスマッチング。検索エンジンでの情報検索とは次元が違う重みがある。ミスマッチはもちろん、レベルが期待を下回るだけでもクレームが発生しかねない。その意味で国内クラウドソーシングのパイオニア企業・ランサーズ発展の歴史は、さらなる利便性の追求と並行し、そうした課題克服とともに刻まれているといっていいかもしれない。

リリース初期の段階から、ユーザーの評価や違反申告など健全な仕事環境の構築に重点を置いてきたランサーズ。取り組むことでさらに課題がみえてくることも見据え、同社は積極的に改善策を打ち続けている。行政や企業とのコラボなど、使い勝手の向上とすそ野拡大へのアクションをコンスタントに実施しながら、着実に深化を遂げている。

課題は理想形へ向けての“成長痛”

だが、機能の充実と、増えるランサー(※)とは裏腹に、案件こそ増えているものの、企業との成約率に課題を抱える。理由は、たいていの場合、発注側にある。クラウドソーシングを利用したい企業側に必ずしも依頼したい案件を的確に指示できる専門知識がある担当者がいるとは限らない。また、不特定多数の受注者に対して仕事を行う場合は、どんなにすぐれたスキルを持っていても実際のレベルはやってみなければ分からない。こうしたことなどがケースバイケースでトリガーとなり、契約の手前でどうしても二の足を踏んでしまうようだ。(※ランサー:ランラーズに登録している会員を指す)

こうした課題への対策として、ランサーズは「Lancers Open Platform」の提供を開始した。Web開発やシステム開発、翻訳などの専門領域を持つパートナー企業が、クライアント企業とのディレクション部分を巻きとるこの制度を通じ、クライアント企業に、より質の高いサービスを効率的に提供することを目指す。まずは14社のパートナー企業を対象とし、2014年内に100社まで拡充。案件の円滑化、そして成約率の向上を図る。

課題はそれ以外にもあるが、突き詰めれば、クラウドソーシングの認知度や信頼性に行き着くことになる。こればかりは時間をかけて積み上げていくしかない。革新的なサービスほど、当初は、受け入れられづらい側面がある。そう考えれば、ようやく拡大期に入ったばかりのクラウドソーシングにとって、発生するトラブルは、着実に進んでいる証そのものであり、同社が描く理想の社会実現への課題でしかない。ゴール到達までに、同社の試行錯誤が途切れることはないかもしれないが、そのトンネルの先には誰もがハッピーになれる可能性を秘める「新しい労働社会」が待っている。だとすれれば、同社にとって、いずれの困難も“心地よい成長痛”といえるのかもしれない。

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