働き方

マイナンバー制導入で副業はやめるべきなのでしょうか【悩むなら聞け!】

投稿日:2015年11月27日 / by

~仕事・働き方のエキスパートがズバリお応えします~

<質問>

「マイナンバー制で収入がガラス張りになるとやはりまずいですか」

現在、小遣い稼ぎのため、副業をしています。収益がわずかということもあって、会社には内緒にしているのですが、マイナンバー制が導入されることで、ガラス張りになるのでは、と不安を感じています。実際のところ、マイナンバー制によって、副業は厳しくなるのでしょうか。いままで通り続ける方法があるなら教えて欲しいです。(37歳男性)

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【回答】

「率直にいえば厳しくなりますが…」

率直にご回答すれば副業は厳しくなると思われます。ですが副業がバレるかバレないかということについて言えば、ケースバイケースでしょうと申し上げるしかありません。マイナンバー制の導入で、単に副業がバレるかどうかということについては、別のコラムをご参照ください。

「マイナンバー制で副収入に大打撃?」

実際、マイナンバー制の導入により副業がバレるかどうかということも大切ですが、企業と社員の関係が変わりつつあるこの時期に、あなたが会社や人事からやり玉に挙げられてしまわないかということも心配です。

いま企業と社員の関係がどのように変わりつつあるのか。企業は、それが大企業と言えども、もう社員を丸抱えして定年退職年齢までその生活を保証することはできません。結婚、出産、持ち家、ご子息の進学等、社員のライフイベントに応じて給料を上げることはできないのです。これから多くのサラリーマンは40歳前後で給料が頭打ちになるでしょう。ですが社員の側はそれでは暮らしていけなくなります。

ではどうするか?を考えなくてはいけない時代にマイナンバー制が導入されるのです。

具体的には、マイナンバー制の導入により、就業規則で「副業(兼業)禁止規定」を唱っている会社がその運用を厳格化するか、それとも緩和するか、どちらかになっていくかと思われます。仮にある企業が運用を厳格化した場合、そこで働く社員が副業をしていたとすれば、経営や人事から厳しく処罰されることは言うまでもありません。バレるにしても時期が悪いのです。

ですから副収入を得るかたちを副“業”にあたらない資産運用にかえる。また、どうしても副業を続ける必要があるのであれば、確定申告からくる住民税の増額やその納め方とマイナンバーの適用について、税理士や税務署、お住まいの地域の役所に確認することをお勧めします。


新井健一<回答者プロフィール> 新井健一
1997年4月、大手重機械メーカ入社。人事業務全般に従事。1999年10月、アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現 KPMG /あずさ監査法人)入社。 組織・人事及び業務改善に関わるコンサルティング及び教育に従事KPMGあずさビジネススクールにてシニアマネージャー、スクール長に就任。ビジネススクール責任者として事業経営の傍ら、コンサルタント、講師業務に従事。2010年11月、経営コンサルタントとして独立。東北六県を対象としたプロジェクトに従事し、仙台を拠点に活躍中。最近は旺盛な執筆活動も行っており、人事のノウハウをまとめた『日系・外資系一流企業の元人事マンです。じつは入社時点であなたのキャリアパスはほぼ会社によって決められていますが、それでも幸せなビジネスライフの送り方を提案しましょう』を発売している。

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