働き方

なぜ新しい働き方へのシフトが必要なのか

投稿日:2015年9月7日 / by 瓦版編集部

『新しい働き方の教科書』<Lesson1>

人口減をベースにしないと全てが破たんする現状

newstyle1新しい働き方へのシフトはなぜ必要なのか。いろいろな要素がある中で、大きな原因といえるのは人口減少だ。人口が減るとはつまり、市場が縮小すること。従って、モノが売れなくなる。売れないから企業の利益は縮小する。給与水準の維持が難しくなる。最悪は人員削減……こうした負のスパイラルに陥ることが、人口減少が日本衰退の諸悪の根源である理由だ。

当たり前のことである。しかも、こうなるというのは、ずっと以前から分かっていた。にもかかわらず、ズルズルと何もせずにきた結果、ツケを払う必要が出てきてしまった。企業ベースで考えれば、人員に発生する不平等の解消だ。高度成長期に必要だった人員と衰退期に採用した人員。環境が変わったのだから仕方がないが、両者の質は大きく異なる。にもかかわらず、評価は年功序列がベースとなる。これでは若手のやる気が削がれるだけでなく、ベテラン勢もしがみ付き意識が強まり、組織力という意味ではマイナスにしか作用しない。このねじれ現象の解消は、必須ながらも非常に困難だ。

働き方をシフトする必要性はこうしたことから浮き彫りになってくる。右肩上がりの経済成長を前提に設定された年功制は、成熟期に入った日本の労働システムにはもはやフィットしない。これは、誰もが分かっている。だが、スムースなシフトのタイミングを逃し、新旧の人材が混在する企業において、急に制度を改めるのは簡単でない。そこが悩ましいところだ。特に大企業では、関係する人員の数が多く、急旋回は、“大事故”にもなりかねない。にもかかわらず、中高年を対象にした大量リストラが行われるのは、そこまで追い詰められている証でもある。

働き方のシフトへ横たわる厄介なネック

大きなネックは、日本の評価スタイルが、スキルでなく、忠誠をベースにしている点だ。スキルがベースなら、明確な評価システムさえ構築されれば、成果報酬であっても比較的スムースに移行できる。だが、「どれだけ長く会社にいたか」、「上司にどれだけ従順か」、といった直接の成果とは関係のない部分が評価のポイントとなる文化では、可視化が難しく、なにより、純粋に能力で量ることが困難だ。年功制になじんだ中高年層以上にとっては、ようやく忍耐が報われるタイミングで、一転してスキルベースの評価になることは、心理的にも受け入れづらい部分があるだろう。

「頑張っても報われない…」。これは、高度成長期には聞こえてこなかったフレーズだ。「頑張れば報われる」。そうした思いを励みに、日本は、世界一に上り詰めた。いま、その言葉の力は大きく低下している。それは、日本が衰退したからではない。単に当時から大きく変質した環境に、かつての成功法則がフィットしなくなっただけのことだ。だからこそ、いま重要なことは、かつてとは環境が変わってしまったことを、全ての企業およびビジネスパーソンがしっかりと受け入れることだ。それが、新しい働き方へシフトする上で最も重要であり、最初のステップとなる。環境が変化した。それで「どうするんだ」、はその後の話だ。(次回のテーマは高齢社会)

◇ポイント

 【求められているのは進化ではなく、いまの環境に適応すること】

 

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