働き方

希望退職じゃなく“希望の光退職”を実現する秘策

投稿日:2015年7月30日 / by

お毒 なんだかシャープの希望退職が停滞してるみたいね。前回、ミドル世代の転職がじわじわ増えてるって話したばかりなのにさ。

猫田先生 おっさんの転職が活発なのと、シャープの希望退職は一緒にできねぇだろ。辞めたくねぇのに辞めなきゃいけねぇのと、自分のキャリアを生かせる職場を探す前向きな転職とは180度意味合いが違うんだからよ。

お毒 でも、会社が傾いてるわけだから、出ることには前向きになんじゃないの。沈みかけの船に誰が好き好んでへばりついてる必要があるのよ。退職金も結構積まれるんでしょ。

毒舌家

編集部ニシ 例えば45歳としましょう。そこで退職金をもらって転職したとします。運よくそこそこのところへ行けたとしても、やっぱり新天地というのは気を使いますよね。それに最低でも定年まであと20年はある。そう考えると、いくら沈みかけでも慣れ親しんだところの方がいいと思うのも無理はないと思います。ネームバリューだってありますしね。もしかしたら、再浮上できる可能性だってあるワケですから。

へん0お毒 そんなものなのかしら。確かに微妙な年齢ではあるかもね。でも、希望退職はこれが初めてじゃないわけだし、いよいよやばいって思わないのかしら…。

編集部ニシ 思っていても簡単に動けないのが辛いところなんでしょう。私としては、自分が経営者なら、こうやって大量リストラを続けるなら、別の解決策を考えますけどね。つまり希望転籍を募るんです。

猫田先生 希望転籍? 受け入れられる部署なんてねぇだろ。リストラしてるくらいなんだから。ひょっとして追い出し部屋か…。

ニシ まさか…。新たに子会社をつくるんです。派遣会社です。希望者はそこに転籍。同社が斡旋する仕事を派遣社員としてこなしていくんです。給与は派遣会社が支払いますが、額は、社員時代の半分。その代り、退職金は半額を支払います。

お毒 なるほど。退職金を半額にして浮いたお金で派遣会社を設立して、半分の給与で雇うってわけね。プライドさえ捨てれば、意外にいいかもね。スキルは活かせるし、スキルアップも可能かもしれないしね。

ニシ その通りです。これのいいところは、もしも再浮上できたときには、また正社員として活用できるという点です。企業にとっても、退職を迫られている社員にとってもよくありませんかね。

猫田先生 子会社に派遣会社がありそうだが、それとは別のリストラ候補専門ってことだな。門題は、そんな人員の集まりで、派遣会社としてうまい具合に仕事を斡旋できるかだな。そこが中途半端じゃ、子会社丸ごとリストラなんて悲劇も起こりかねねぇぞ。シャープの下請けみたいな仕事じゃ、意味ねぇだろうしな。

ニシ その補完策としては、全員がクラウドソーシングにも登録するんです。それで個人で出来る仕事をやりながらスキルを磨いて、自信をつける。さらにそれとは別に副業も容認する。報酬の半分は会社へ入れるのがルールでね。つまり、派遣会社ではあるけど、自立した社員になる訓練の場、という位置づけにするんです。そうすれば、会社のリスクヘッジにもなるし、社員にもやりがいも生まれてくるんじゃないでしょうか。

お毒 そんな発想ができるならそもそもリストラなんてしなくて済んだんじゃないの?

ニシ そうかもしれませんね。でも、業績が悪い、だから人を切るっていうのは、やっぱり経営としては最悪だと思います。どんな形であれ、雇用を守る努力をしないと、結局は血を流し続けるだけですよ。流すのは汗でなければ、会社は動いていきません。

猫田先生 その通りだな。希望退職ってのは、言葉と実態が違い過ぎる。経営判断としては最悪のことなんだから、せめて希望の光を与えるものでないと、責任放棄と同じだな。希望の光転籍、いいんじゃねぇか。

nekodaBup

ニシ 今後、人材はどんどん流動化していくと思いますが、日本ではいきなりそうなるのは難しい。だから、こうした機会に、そういう取り組みが起こって、少しずつ土壌ができ上がっていけば理想的なんですけどね…。企業イメージだって保たれるでしょ。

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