働き方

うつ発症や退職確率を予測するサービスの実力

投稿日:2015年10月6日 / by

人事もテクノロジーを活用する時代に

(株)SUSQUE 「サブロク」

busy企業にとって、社員のうつ病発症や退職による影響は決して小さくない。戦力ダウンに留まらず、コスト面でも大きなダメージを伴う。ストレスチェックが義務化されるなど、労働環境改善は、いまや企業の発展にとって必須課題となりつつある。(株)SUSQUEの「サブロク」は、ビッグデータを活用した、うつや退職の発覚をテクノロジーによって予測するクラウド型の人事・労務ツール。その的中精度はなんと8割以上だ。テクノロジーによる人材ソリューションが、いよいよ日本でも本格化するかもしれない。

予測精度8割以上の人材ソリューション

ある日突然、社員が辞めた。何となく予兆はあったが、やっぱり辞めてしまった。同僚がウツで長期休職した…。企業にとって、何らかの理由で、社員が職場から離れてしまうことを完全に防ぐことは極めて困難だ。当然、企業にとって、そのダメージは少なくない。出来るものなら、病気のように予防できれば、経営への負荷を軽減できる--。

サブロクは、そうした企業の悩ましい課題を解消する可能性を秘めた画期的なサービスだ。なぜなら、うつや退職する確率を予測できるからだ。一体、どういうメカニズムで、ともすれば同僚でも気づきづらい予兆を察知し、高い精度で予測を実現するのか…。

どうやって予測するのか

「企業秘密の部分があるので詳細はいえませんが、勤怠管理データをベースに、性格診断テストなどのデータと組み合わせ、加工し、機械学習によって予測モデルを作成し、退職確率やうつ発症率を弾き出します」と岡村慶尚代表は、声を潜めつつ解説した。

bigdata

いわゆるビッグデータを応用し、勤怠情報や性別、年齢、年収、スキル、アンケートデータなどの情報を収集、一元化。過去のデータも蓄積するなどで、退職やうつの傾向を機械学習で判定。データを蓄積することで、更にハイレベルな予測精度を実現する。

対面の強さをおいてあえて導入する理由はあるのか

とはいえ、例えば退職などは、勤務態度や遅刻欠勤など、予兆が出ている場合も少なくない。同僚が相談を受けたり、上司に相談することで、事前に回避できる可能性もある。あえてコストを投じてまで、サブロクを活用する必要はあるのだろうか。

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予測メカニズムを解説する岡村代表

「確かに退職する人やうつになる人は、ある程度行動に出る人もいるでしょう。しかし、行動に出てもそれがミスリードにつながる場合や行動に出ない人もいる。むしろそうした人の場合、会社にとって、突然、欠員が出るリスクであり、問題となります。そうした人の行動予測は、定期的な情報収集と分析で可視化しなければ、見落とししてしまう確率が高い。サブロクのデータ分析はそうした人をあぶり出すのに活用することに意義があると考えています」と岡村代表は、ドライなデータ分析ゆえのメリットを主張する。

確かに、予兆が出ている人の場合、同僚が引き留めても結局はやめてしまうケースも少なくない。予兆が出ない人となれば、引き留める策すらない。それだけに、データ分析によるわずかな傾向もしっかりと捉え、早い段階からアラートに気付くことこそ、退職を防止するには有効といえる。それだけに、同サービスは、とりわけ退職を深刻に捉える経営者にとっては、有効なツールといえそうだ。

コスト面でのメリットもある。例えば年収500万円の人が退職した場合、新たに採用するコストや人員減による他の社員への負荷増大などもあり、そのマイナスのコストは400万円との試算もある。退職により、一気に一人の年収分に相当するコスト負担がのしかかるワケだ。しかも、退職による負の損失は、帳簿には計上されない。まさにジワジワと経営を圧迫するのが、目に見えない潜在退職・ウツ発症リスクの恐ろしさなのだ。

うつ・退職の予測以外の機能も揃う人事テクノロジー

サブロクでは、退職確率・うつ発症確率の他、年収の最適化や新卒の選抜なども行える。つまり、人事や労務における難しい課題を最新のデータ分析技術によって解消できる。まさに“人工知能”による、HR分野のソリューション--。人が対処するがゆえに、だまされてしまう部分をあくまでデータに基づく沈着冷静な判定で可視化する。人事問題が複雑化する昨今にあって、テクノロジーの活用による問題への対処は、かえって有効といえそうだ。

メンバーはビッグデータに精通する(左は加藤CTO)

メンバーはビッグデータに精通する(左は加藤達人CTO)

同サービスの信頼性を裏打ちするトピックとして、創業メンバー全員が、ビッグデータ分析専門のブレインパッドの出身というのも見逃せない。いわゆるビッグデータブームに便乗した、いい加減なデータ解析サービスも跋扈しているからだ。ちなみに、サービス開発のきっかけは、岡村代表が前職のコロプラでゲームユーザーの離脱傾向を分析していた際、「この手法は企業の従業員の退職確率に応用できる」と考えたこと。これまた、説得力のあるトピックだ。日本ではまだ、人事ソリューション分野でのテクノロジー活用は進んでいないが、同社とそのサービスが、それを大きく推進する可能性はある。

「サブロクの目的は、単に既存の勤怠管理や給与計算、評価といった人事システムではありません。社員の退職や精神疾患の発症、過度な超過勤務を防ぐ『健康経営』を目的とした人事・労務分析ツールです」と力説する岡村代表。テクノロジーによる管理や支配はご免だが、むしろ、ごく控えめに知らぬ間により快適な職場づくりに貢献する--。そこが、同サービスの肝であり、次世代の働き方に希望を感じさせる要因といえそうだ。

ストレスが発覚したらケアしていこう

人は知らず知らずのうちにストレスをため込み、ストレスと戦い疲弊していく。ストレスから解放されるためにはケアが必須となるが、なかなかその方法は確立されていない。少しでも気持ちを緩和する方法は誰もが分かっているはずなのだが、仕事や日常に忙殺され実施するのが困難になっている。それでも何とかストレスへの耐性を付けたいと思ったり、ストレスから解放されたいと考えたりするのであれば、この記事をチェックしてもらいたい。
仕事のストレスを解消する様々な方法

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