働き方

企業の中枢に「参画」するための“学校”の気になる中身

投稿日:2016年3月3日 / by

サンカク+学校の狙いとは

リクルートキャリアのサンカクが、働き方を豊かにするためにグロービス経営大学院と共に新たな取り組みを開始した。その名も「サンカクの学校」。会社を辞めずに成長企業の経営課題にリアルに参画できる斬新企画に「学校」が加わると何が起こるのか…。プロダクトマネージャーの古賀敏幹氏にその狙いや可能性を聞いた。

予習効果もあり濃密に繰り広げられたリアルケーススタディ

予習効果もあり濃密に繰り広げられたリアルケーススタディ

主に大企業の社員が、その興味やスキルを活かし、ベンチャー企業の経営会議に“参画”することを橋渡しするサンカク。発足から1年半が経過し、実績も積み上がってきた一方で、課題もみえてきた。「サンカクの学校」には、そうした部分への改善の為の検証の意味合いもある。

「サンカクは、一会社員がベンチャー企業の経営会議に参画することをテーマにここまで続けてきました。そうした中で、例えば、興味はあるもののテーマに対しての経験がないといった理由で、サンカクすることに対して敷居の高さを感じるというユーザーの声も聞こえてきました。そこで、事前に必要な知識を学習する機会を設けることで、敷居を下げ、その上でしっかりとテーマに向き合える状態で、経営会議に臨んでもらおうと企画したのが『サンカクの学校』になります」と古賀氏は説明する。

「学習」の部分で、同社がパートナーに選定したのは、実践力を鍛えることにこだわったMBAプログラムを提供するグロービス経営大学院 だ。肌感覚として、課題解決のイメージはあるユーザーにとって、それを演習形式で学べる同大学院の講座は、サンカクへの予習としては最適。また、グロービス経営大学院で学ぶことやMBAに興味を持っている社会人にとっても、学んだ知識を即座に実践できる機会としてサンカクがあることは魅力的だ。そうした狙いがしっかり響いたようで、講座へは募集枠に対し、約10倍もの応募が殺到する程の人気となった。

濃密な議論が展開された最終日

プログラムは、計3日間で、1日目がクリティカル・シンキング、2日目がマーケティング。両日ともにオンラインで実施。最終の3日目は、実際に企業担当者が集い、参加者とディスカッション。まさにいつもの「サンカク」が行われ、企業の経営課題解決に知恵を絞る。

2月下旬に都内で行われたリアルケーススタディには(株)スクールウィズ、(株)ライフスタイルデザイン、(株)Casy、(株)ビズグラウンド、(株)Loco Partnersの5社が協力企業として参加。事前の学習もあり、より高いモチベーションで臨んだ参加者らと3時間弱、熱く、濃い議論を交わした。

濃密な3日間を終えた参加者の顔は一様に満足げだった。「社外の色々な仕事を見てみたいと思い、サンカクは登録はしていたが、知識や経験がないので、ディスカッションへの参加は躊躇していた。今回、『サンカクの学校』は自分にとってはいい機会になった」。「『サンカクの学校』を機に登録した。現在の業務は楽しいと感じるが、このまま同じことをやり続けていくことは自分のキャリアはどうなのか、とモヤモヤしたものを感じていた。士業を生業としている自分は企業の人たちがやっているマーケティングに興味があったので参加できてよかった」。

社会人として、現状に不安を覚えつつ、外部の空気に触れ、経験を積みたい。参加者の言葉からは、まさにそうした思いを解消する場への渇望感がにじみ出る。入った会社に不満はなくとも、一歩引いて、個人の人生として社会人生活を俯瞰した時、本当にこれでいいのか、という疑念が生じるのも不思議はない。

初の試みを終えた古賀PMは「手ごたえは感じているが、まだ仮説の段階。今回の結果を受け、サンカクの新たな可能性も幅広く追及したいとは考えている。オンラインというのも、今後の選択肢として出てくることもあるかもしれない」と、上々の反応に新たな展開も見据えた。

sankakuschool

昨今、大企業からベンチャーや異業種への転職、複数企業にコミットするワークスタイルの増大など、激化する人材流動化の中で、いわゆる会社員にも学びの機会や他社と接点を持つことの重要性が増している。「サンカクの学校」は、そうした状況で求められる要素を全て内包しており、社会人の学びや成長の新たなカタチとしても今後の展開が注目される。第2回の募集も始まっているので、なにかモヤモヤを感じているなら、応募してみてはいかがだろうか。

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