働き方

時間と成果は比例しません

投稿日:2015年8月27日 / by

お毒 来月から店の営業時間を3時間短縮しようと思ってるの。

猫田先生 随分大幅カットじゃねぇか。オメェんとこは週休1日だから、週18時間もの営業時間短縮ってことになるな。大丈夫なのか。

お毒 実はね、売り上げが一向に上がらないから原因を追究してみたのよ。そしたら開店時間の5時から8時の三時間はほとんど開店休業状態。早割りとかいって、ビール一杯無料とかいろいろやったんだけど、労多くして実少なし。だから、思い切ってその時間店を開けるのをやめたってわけよ。

毒舌家

編集部ニシ いい判断だと思います。長い時間働けば売り上げがアップするというのは幻想にすぎませんからね。確かに数字は上がりますが、時給換算すれば、随分と効率は悪い。社員が疲弊するなら思い切って、営業時間を見直すのもアリですよ。

へん0お毒 時間が浮いたもんだから趣味のフラダンスに時間がとれるようになって、体調もすこぶる良くって、かえって仕事も好調なのよね。不思議なもんね。

編集部ニシ ちょっと違うかもしれませんが、Jリーグでは今シーズンからチームの運動量に関するデータを公開しているんです。その結果、面白いことが分かったんです。必ずしも運動量が多いチームが上位にいるわけではないということです。サッカーでは一般的に運動量の多さが重要だといわれていますが、そうでもないということですね。大事なのは動き方の質、というわけです。

猫田先生 ダラダラ仕事して、夕方になって急にエンジンのかかる社員がいるだろ。あれなんて、残業を前提にした、ムダに運動量の多いタイプの典型だよ。朝から全力でやって、定時にキチッと帰れって話だよ。上司も何時までいるかで評価するんじゃなく、遅くまでいるやつがどんな仕事をしているかチェックした方がいいな。

お毒 アタシの場合、店に客が来ないっていう悲しい事実で嫌でもムダが明確になったけど、個々の社員がどんな動きをしているかその質を見極めるのは難しいかもね。

猫田先生 簡単に分かる方法があるぜ。ズバッと残業禁止にしちまうんだよ。それで本当に仕事が回んないなら、業務量が多いってことだし、すんなりこなせるようならダラダラしてただけってことだ。ぜひやってみるべきだと思うぜ。

ニシ 残業削減を成功させた企業をたくさん取材していますが、例外なく業績がアップしています。労働時間は業績に比例しないってことですよ。もちろん、たくさん受注して、それを形にするビジネスモデルの場合は、売り上げと労働時間が比例することになるでしょうが、そういうモデルでも今や、いかに労働時間を削減して生産性をあげるかが、重要課題ですからね。企業として長く存続するためには。

nekodaBup
猫田先生
 受注が増える、仕事が増える、労働時間が増える、給料が上がる、人を増やすってことになるだろうけど、いつまでもそれが続くわけはない。つまり、いつか増えた社員を切る必要が出てくる。リストラだよな。これはビジネスモデルとして無理がある証しだよ。好調なうちに新事業を模索するにしても人材がいないと話にならん。だから、いまは多様性なんだよ。

ニシ それと、働き方を真剣に考え直すことも重要ですね。時間より成果、ワークライフバランス。人がその能力を発揮し続けられないと、やっぱり会社は破たんしますからね。なんせ人によって会社は成り立っているワケですから。

お毒 営業時間の短縮は正直苦し紛れだったんだけど、いまとなってはなんでもっと早く気付かなかったのかしら…なんて後悔してるわ。

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