働き方

週休3日制は実現するのか【瓦の目】

投稿日:2015年4月17日 / by

週休3日は非現実的?

vacation週休3日制の議論がにわかに活発になっている。いくつかのメディアで取り上げられ、ネット界隈で盛り上がってる。瓦版にもその余波は及び、過去の週休3日制記事が急上昇した。震源地は、「文科省が掲げる「夢ビジョン2020」内にある週休3日制の導入案。出所がしっかりしているだけに、注目が集まったようだ。

議論、とは言ってもほとんどが、「無理だろう」といった消極派。もちろん、多くは導入に期待はしている。だが、その分、残業が増え、休日出勤も増えるに違いない、といった現実的な意見が大勢を占める。瓦版では、そうした状況を考慮して、変則的な「週休3日制」の調査を行っている。現在主流の「週休2日&8時間労働」の比較対象として「週休3日」ただし、1日10時間労働というカタチで2択してもらった。

結果は、前者が53%に対し、後者が47%とほぼ拮抗した。予想では、週休3日がもっと上を行くと思っていたので、意外な結果だった。なぜこんな結果になったのか。業務量を考慮して、あえて労働時間を10時間に設定したが、それでも週休3日では休み過ぎ。つまり、仕事が回らなくなる、と判断したのだろう。

週休3日ということは、稼働日は週4日。ここに国民の祝日、年末年始、夏季休暇が加わるので、年間の休日は約150日。4割以上が休日ということになる。2日に1日は休みという感覚かもしれない。日ごろ業務に忙殺されているビジネスパーソンにとっては、これではさすがに希望はあっても現実的でないと考えるのも無理はないかもしれない…。

週休3日制のメリット

週休3日制を導入する変態企業カメレオンのジョーカー福留氏は、その理由を「その方が頑張れるから」と答えている。同社では水曜日を定休日に設定。労働サイクルとしては、月・火曜働いて水曜休み、木・金曜働いて土・日休む1週間となる。「休みを増やす分、一日の労働時間は長いですが、2日頑張れば休めると思うと頑張れるんです」とその効果を明かす。

仕事内容や業種にもよるが、そうしたサイクルの方が効率的な企業も確実に存在するだろう。要するに、週休3日制の議論は一律で考えてはいけないということだ。週休3日制がハマる企業はそうするのがベターだし、週休は1日だが、5時間労働がフィットするならそうする、現状の週休2日がベストなら継続すればいい。働き方が多様化する中で、個々のビジネスパーソン、各企業にとって、もっとも理にかなった形を選択することが、これからの休暇議論では、重要視されるべきだろう。

日本全体には、いまだ残業体質がはびこっている。たくさん休むことに対し、どうにも免疫が少ない。だが、考えてみて欲しい。かつては週休1日が普通で、その後週休2日へ移行。公務員が完全週休2日制になったのは1992年のことだ。当時も当然、「無理だ」という意見も多かっただろうが、今では当たり前になっている。強く願えば、実現できる。多くの人が本当に「週休3日制」を望むなら、もっと肯定的に捉え、どうすれば実現できるのかに議論をシフトすべきである。

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