働き方

「会社員」になりたいこどもは何を目指すのか…【瓦の目】

投稿日:2016年1月8日 / by

日本男子のなりたい仕事の1位は「会社員」

最新の調査によると、日本の子供が将来就きたい仕事の1位は男子が「会社員」だそうだ。世界最大の人財サービス企業、アデコグループの日本法人アデコがアジア6か国(韓国、香港、台湾、シンガポール、ベトナム)のこどもを対象に実施した調査による。過去2年は「サッカー選手」が1位だった。

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長びく景気の低迷は、こんなにもこどもの夢や希望を奪ってしまうものなのか…。なんとも寂しい結果である。おそらく、働く父や母の背中をみて、そう思ったというワケではないだろう。それよりも、その親から、夢へのブレーキをかけられたのでは、と想像する。現状の会社員が、こどもの目からも安定しているように見えると思えないからだ。

もっとも、27回を数える第一生命の同様の調査では、2015年の「男の子がなりたいもの」1位は「サッカー選手」で6年連続。調査方法の影響もありそうで、あくまで参考と考えた方がいいのかもしれない。ちなみに同調査では2位が「野球選手」、3位が「警察官・刑事」となっており、いかにもこどもらしい結果となっている。

アジアでは「会社員」は不人気

では、他のアジア諸国の結果はどうなのか…。日本以外の6か国でベスト3に「会社員」が入っている地域はひとつもない。いずれも先生や医者、警察官などだ。他国に比べれば、日本の「会社員」は恵まれている部類といえるものの、この結果をみると、“参考”といえど、日本の子どもの過剰なまでのお行儀のよさを感じざるを得ない。

残念なのは、「会社員」になりたいという動機には、何かを成し遂げたり、人の役に立つといった思いがないことだ。こんな世の中だからこそ、せめてこどもの時くらいは、大きな野望を小さな胸に抱いてもいいだろう。一体、こどもゆえの無邪気さはどこへ行ってしまったのだろうか…。

安定さえしていれば全てよし。まさかこどもがそんな現実的な思いでいるハズはない。万一、自発的にそう思っているなら、日本の将来にとって由々しき事態だ。そんな心構えでは、目立つことはもちろん、人と違う発想などにも自らブレーキをかけかねない。いまの会社員の多くが、目を輝かせ、イキイキと躍動しているなら、少しは納得できるが、どちらかといえば真逆の状況だけになおさら悲しく、心配になる…。

→過去の「瓦の目」

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