企業風土

人材が集まると生まれるシナジー

投稿日:2013年12月3日 / by

アソブロック株式会社 団遊氏 インタビュー 其の五

個人の時代がやってくるという団氏

会社に個人がいたいと思わせるためにはどうすればいいのか

 アソブロックが考える「働き方」~プロデューサーとディレクター~

事業会社ではなく人材育成会社。自分の年俸を考えることで、自分の仕事を省みることができる。個人が活きるために必要なことは自らのことを考えて仕事をすることだと団氏は教えてくれた。しかし、人材育成の観点と事業との観点を比べた時に、実際に会社としての運用はどうなっているのだろうか。今回はその部分について詳しく伺った。


人材の育成ということに重点おく会社

―御社のやり方ですと、個人としての能力がどんどん強くなっていきますね。

個人の時代ですしね。そうなると組織としては「それでもここにいたいという魅力をどうやって維持するか」っていうのが課題ですよね。今までは給料とか福利厚生とか、立場っていうものとのバーターでありましたけど、今はダブルワークもOKですし、いつ別の会社から「年俸これだけで完全移籍しないか」って言われるか分からない状況でもあるわけなんです。

それで他に行かれたって仕方がない状況なんだけど、会社としては優秀な人材が流出するのはマイナスなんです。それでもやっぱりここにいたいっていう魅力付けを、組織の作り方も含めて追求していくことを考えています。それは、能力のある人がこっちに来るっていう理由にもなると思います。

最近フリーでやってる人の中で、個人事業主としても苦しいけど、会社員に今更なれないって人が結構いるんですよ。そんな人たちが、止まり木的にこのカウンターに並ぼうかって思ってくれれば、素敵なシナジーが起こりそうですよね。

年俸の基準も一応あります

プロデューサーになって大きな仕事をしていって欲しい

年俸の基準について

―年俸が高い人が来たときの受け入れはどうなってるんですか?経営的な心配は無いんですか?

一応、売り上げに対しての係数というのを設けています。給料の何倍というのはその年によって変わるんですけど、まあ大体プロデューサーだと2.4倍とか2.3倍とか2倍とかですね。ディレクターだと1.5倍とか、1.4倍位です。例えば20万ぐらいの給料を宣言したとすれば、ディレクターの場合は30万弱くらい稼げば構わないよというルールにしてるんです。それであとの残りの分で販管費とか、広報とか、そういう部分の費用を出していこうという感じですね。

そうなると係数が低い分、ディレクターの方が得じゃないかという議論が出るんですよ。ところが、人の採用に関してディレクターには権利が与えられてないんです。

プロデューサーにならないと自分のチームを作ることができないので、より大きな仕事を作っていこうと思うとプロデューサーになるしかないんです。

―他にプロデューサーのみの特権はありますか?

あと、プロデューサー会議というのを最高の意思決定機関としてやっています。ディレクターのうちは、見学できるんですけど、意見できないので、そこで発言をしたければプロデューサーになるしかないんです。

会社としてはプロデューサーが増えた方が、仕事は大きくなって売り上げが上がるという仕組みなので、みんながプロデューサーになりたいって思うような仕掛けはそれなりにしています。

プロデューサーになるための方法は

―プロデューサーになるためにはどうすればいいんですか?

一応、既存のプロデューサーたちが了解するっていうことがルールになってるんですけど、自己申告で言った人をダメだと言った事は無いですね。「やりたいことはやったらいいんじゃないの?あかんかったらディレクターに戻ったら?」って言ってます。

確実に機能している年俸宣言制度

―この制度のスタイルはこの4年で、磨かれてきましたか?

最初は「この金額で申請してもいいのかな?」って躊躇してた部分から情報公開とかも自然と受け入れるようになってきたし、制度としても理解が深まってきてます。それぞれメンバーが年俸を決める理由をしっかり言えるようになりました。成熟してきてますね。

あとは、飛び込みでうちに入りたいっていうプロデューサーをいかに増やしていくかっていうのが課題です。

会社の中からディレクターが成長してプロデューサーに持ち上がるっていうのも、もちろんいいんですけど、どこかの敏腕プロデューサーがノックしてきて「おたくおもろいから俺も入るわ」って言ってくれると面白いなと思ってます。

其の壱 あなたの仕事はいくら?自分で年俸を宣言できる会社
其の弐 あなたは役に立ってる?会社に自己価値を進言してみよう
其の参 アソブロックに入った新入社員はどのようにして年俸を決めるのか?
其の四 転職も容認?適材適所の働き方
其の五 人材が集まると生まれるシナジー
其の六 会社としてよりも個人としての成長を促す会社の在り方

其の七 仕事は自ら取りに行く姿勢が大事
其の八 継続することでカラダに染み渡るワークショップのあり方


asoblock-Nameplate【会社概要】 社名:アソブロック株式会社
所在地 :〒162-0064 東京都新宿区市谷仲之町 2-10 合羽坂テラス4号室
設立:2003年 5月
役員:代表取締役社長 団 遊
事業内容:マーケティング戦略事業、ブランディング戦略事業、その他
URL:http://www.asoblock.net/

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