働き方

エンプロイアビリティ

【エンプロイアビリティ】

エンプロイ(雇用する)とアビリティ(能力)を組み合わせた用語。つまり、雇われうる能力の意。これまでは学歴さえよければ、就職も可能だったが、社会環境も変化し、実際に何ができ、どんな対応ができるのかが採用において、重要視されつつある。エンプロイアビリティの高さが、雇われやすさの一つの基準となるわけである。さらにいえば、雇ってもらうという概念は終焉し、能力のあるものが、個人の力量で企業を選べる時代に突入したともいえる。

エンプロイアビリティとは、3点の能力で成り立っている

エンプロイアビリティとは一言でいえば“雇われる力”という意味で間違いのないところだが、それでは実にあいまいな概念のように思える。 これに対し厚生労働省は、2013年7月12日“エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書”を発表し、“エンプロイアビリティの具体的な内容のうち、個人の基本的能力”を定めた。 つまり、エンプロイアビリティを高めるには何が必要か、というものだ。

A 職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの

(できるだけ多くの専門知識)

B 協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの

(自分で課題設定を行い、実行する能力)

C 動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの

(何気ない会話、会議での発言などのコミュニケーション能力)

改めて突きつけられると、当たり前に必要な能力であって、しかし実行するには難しいものでもある。ちなみにA→B→Cの順に成果に結びつきやすい能力といわれている。

エンプロイアビリティを高めるメリット

では、具体的にエンプロイアビリティを高めることで、どう変わるのか。大きく2点が考えられる。

転職が容易になる

もともとエンプロイアビリティの概念は、経済状況の悪化により、正社員といえども長期雇用が保証されなくなったという背景から生み出された。今後は、1企業内のガラパゴス化されたスキルを身に付けて満足するのではなく、どのような企業においても通用する人材にならなければいけない、ということである。

つまり、エンプロイアビリティが高い人材というのは、どのような企業においても活躍でき、転職市場において有利なのだ。

継続して雇用される

転職に興味が無ければ、エンプロイアビリティは関係無いというものではない。いざ、会社の経営が悪化したとき、生き残れるか否かは個人のエンプロイアビリティにかかっている。当然、出世云々にも関わってくる。つまり、会社に必要とされる人物こそ、エンプロイアビリティの高い人物なのだ。

このように、ビジネスマンであれば誰でもエンプロイアビリティを高めなければならない。転職しようとそうでなかろうと企業の一員であるならば、自分が必要とされている能力を把握し、獲得に向けて行動する必要がある。いわば、これまでも終始当然だったことが、“エンプロイアビリティ”という言葉が誕生したことによって浮き彫りになったのだ。

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