働き方

ドロドロの労働移動は御免です

投稿日:2014年3月20日 / by

お毒 着々とドロドロ化への土台が固まりつつあるわね。

猫田先生 また三角関係がこじれてんのか。

毒舌家

お毒 そっちの話じゃなくて、コヨー(雇用)の話よ。

物知り

猫田先生 成長戦略の話だな。今年の6月にもまとめる新たな成長戦略に、成熟産業から成長産業への円滑な転職を促すためのいろいろな施策を盛り込むことを検討しているようだな。政府主導で転職を促すんだから、ギシギシしたんじゃ、国家の威信にかかわるからな。「失業なき円滑な労働移動」を掲げる以上、しっかりとフォロー体制を固めておかねぇとえらいことになっちまうぜ。ドロドロの流動化じゃなく、サラサラにしねぇと成長戦略にならねぇよ。

お毒 でも成熟産業から成長産業へ移動って、結局は斜陽産業から有望産業へ移るってことでしょ。うまくいくとは思えないんだけど…。

猫田先生 だから、キチンとマッチングが行われるよう中立的な第三者機関による人材紹介会社の認定をする仕組みの創設も検討している。さらにハローワークの機能強化も進め、さっそく3月24日から「ハローワーク求人ホットライン」の開設が発表された。これは求人票の記載内容と実際の労働条件が違う場合の対策を強化するもので、やはりマッチング精度を高める狙いだ。無料で利用できるハローワークの求人はあまり評判がよくなく、賃金に関することや就業時間に関する申し出が多いようだぜ。

おっちょこちょい

お毒 それはいい取り組みなんだろうけど、ハローワーク側にかなり負担がかかりそう…。

猫田先生 ブラック企業の問題もそうだけど、いまは雇用環境をできる限り良い方向へ整備する必要性がある。なぜなら、少子高齢化で労働力不足が懸念される中、そうしたこととは別次元で雇用のミスマッチがあっては、うまくいくものもいかなくなる。賃上げはひとまずうまくいったんで、次は労働市場の最適化だ。そのためには、増え続ける非正規労働者の待遇改善も重要になる。ユニクロが非正規の大規模な正社員化を打ち出したが、名のある企業でも待遇が悪けりゃそっぽを向かれかねねぇことを裏付ける動きともいえるな。

お毒 やっぱりドロドロじゃない。振られそうになったら一転、「お前しかいない」って感じにしか見えないわ。

猫田先生 どれくらいのスタッフがこの決定でモチベーションを上げたかだな。「責任が増えるだけ」と拒絶するスタッフだっているだろうよ。あと、待遇改善については人材のスキルを客観評価できる指標として、業界ごとの検定制度の創設も政府が支援するようだ。非正規のままがいい労働者だってそれなりにいるわけだから、こっちの方はうまく機能すれば、有効かもな。正社員より能力があるのに“非正規”ってだけで、不遇な扱いを受けるなんて理不尽だからな。

伝衛門 あっしは、ウルトラマン検定3級でやんす。 

お毒 おめでとう。あんたはいつまでもおもちゃで遊んでいなさいよ。

猫田先生 とにかく、いま労働市場は大きな地溝変動が起こりつつある。正社員が減ってるのは、流動化へのハッキリとした兆候だ。非正規は流動化のカギを握るが、決して都合よく扱われてはいかん。少々厳しいが、液状化した労働市場が最適な形にまとまっていく過程では、能力が重視される必要がある。そうでなければ、日本の潜在力が十分に発揮されねぇし、いびつなるんじゃ、何にも変わらねぇからな。だから、これまで以上に人材紹介会社の役割が重要になるし、個人もスキルを磨き上げねぇと、いい仕事にありつけなくなるってことだよ。

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