職業

ワークライフ未来予想図 File.1
<ネオフォトグラファー 後編>

投稿日:2013年11月4日 / by 瓦版編集部

海老塩ラーメン

ネオワーカーの生き方

インターネットが普及し、個人が情報を発信できる時代が来ている。人が持つスキルや情報を、他人が評価することも容易になってきた。そんな中で、他人から一つの才能を見出され、それを職業としている人間がいる。すぐ先の未来では個人が自分だけの武器を持って仕事を得る時代がやってくるだろう。そんな未来の予想図を描いてみよう。


<前編はこちら>

趣味の延長で始めた食道楽ブログが、ひょんなきっかけを持ってアクセスを集めることに成功した。そのきっかけとは、「携帯での撮影の上手さ」が話題になりメディアに取り扱って貰えたことであった。
何の気なしに始めた食道楽ブログだったが、どうやれば美味しそうに見えるかなどに、こだわりを持ちながら撮影をしていたことが功を奏した。一時SNS上では「神の角度」などと言われ持て囃されたこともあり、調子に乗ってたくさんの写真を撮影しアップしていたところ、グルメ媒体の編集者から声を掛けられ、私の肩書はその時から「フォトグラファー」になっていた。
ただ写真を撮るだけではない「フォトグラファー」。記事も書かなければいけないし、グルメレポーターも兼ねた「フォトグラファー」である。そこでお金を貰うようになってもう半年が経とうとしている。
今まで気ままに行っていた食道楽ブログとは打って代わって、アップした記事や写真が編集方針にそぐわないことも多々あり、その場合は撮り直しならぬ食い直しを強いられることもあった。雇われて仕事をしている以上は仕方ないが、これが一番辛いことだった。

私は器から立ち上る湯気が消えてしまわぬうちに、ラーメンの写真を数枚撮った。そして、その場で画像を確認する。余計なものが写っていないか、ぶれていないか、そして何より美味しそうに見えるかをきちんと確認する。それからようやく食事の時間だ。
食事の時間も気が抜けない。旨さに対しての記事を書かなければならないからである。写真の撮影を早々に済ませたかったのも、食べてからの感想をきちんと書きたかったからだ。ぬるくてのびたラーメンの感想などを書くわけにはいかない。
私は食事を終えた後、その場でCMSにアクセスし撮影した写真と記事をアップする作業を行った。その作業は私が店にいる中で全て終わらせることができる。おそらく私が店を出る頃には、編集のチェックが終わった原稿がWEB上にアップされていることだろう。私はゆっくりと水を飲み、ラーメンの椀をカウンターに上げ、「ごちそうさま」という声をかけてから店を出た。

ハッキリと言おう、私はプロの「フォトグラファー」ではない。撮影器具はスマートフォンであるし、画像の加工技術も持ち合わせていない。しかし、それで生計を立てているのは確かだ。物事を突き詰めていった結果が今そうなっているだけである。これからもこういった仕事をする人間は増えていくであろう。そこに需要がある限り。

<豆知識>
写真共有のSNSとして有名なInstagramというサービスには、アクティブユーザーが一億五千万人以上おり、一分間で30,000枚近くの写真がアップされている。それに対する「Like!」の数は同じ一分間で500,000回以上。これは驚異的な数字といえよう。これは世界規模の話であるが、日本国内だけ見ても相当な数の写真が投稿されている。投稿者の中にはプロのカメラマンもたくさん居るようだが、圧倒的に素人の数が多い。携帯電話に付随していただけのカメラが、これほどまでに高性能な写真を撮影することができるようになり、それを人に共有できるとなれば、それが一つの職業として成立してもおかしくないのである。

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