働き方

便秘になりやすい職業の傾向と対策

投稿日:2014年11月13日 / by

便秘を軽視していけないワケ

便秘の傾向と対策を語る齊藤氏

便秘の傾向と対策を語る齊藤氏

女性の体のトラブルで常に上位にランクインする「便秘」。不快と認識はしていても、軽視している人も少なくない。だが、たかが便秘と侮ってはいけない。労働生産性を下げる研究報告もされており、働く女性にとっては、放置することで体にも会社にも悪影響を及ぼすことになりかねない。つい軽視しがちな便秘の原因と改善法を専門家に聞いた。

「対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座 コロンハイドロセンター」には、腸のトラブルで悩む女性が駆け込んでくる。同センターでコロンハイドロセラピストとして活躍する齊藤早苗氏は、2014年度のデータとして、来院のきっかけを公開。それによるとトップは、「便秘の改善」で43%。次いで「ダイエット」、「健康保持」がそれぞれ16%、「トラブルの肌の改善」が12%だった。便秘で悩む女性が顕著に多い結果となっていることが分かる。

「命にかかわる病気ではないこともあり、なかなか病院まで足を運ぶ人は少ないですが、便秘で悩む女性は数多くいます。排便後スッキリ感がない、お腹が張る、ガスが溜まる、お腹がポッコリでている、おならがくさいなどの症状を訴えておられます。命に関わらないといってもひどくなれば生活に影響を与えることもあるので、しっかりと病気と認識して治療してもらいたいですね」と齊藤氏は忠告する。

便秘に悩まされる人には、偏食や無理なダイエット、不十分な休養などライフスタイルに一定の傾向がみられるが、働く環境にも特長があるという。「やはりストレスの多い仕事ですと腸が敏感になり、下痢や便秘を繰り返しやすいですね。また自由に時間が取れない仕事も便意を逃すので便秘になりがちです」と齊藤氏は指摘する。

具体的には、経営者医師看護師CA証券会社受け付け接客業夜型接客業デスクワークなどが、便秘に悩む女性が多い傾向にあるという。多忙や過重労働、締め切りに追われる、不規則、同じ体制のまま作業する、業務中抜けずらい…。こうした労働環境下にあるのが、便秘要警戒の職業・職種といえる。

ストレスを増し、労働生産にも影響する便秘

便秘と労働生産性の相関について解説する本郷氏

便秘と労働生産性の相関について解説する本郷氏

公立黒川病院管理者で東北大学名誉教授の本郷道夫氏は、便秘による労働生産性の低下を指摘する。それを示す顕著なデータとして、便秘症状がある時のストレス度を評価した調査結果を公開。それによると、便秘症状がある時には、ないときに比べ、5倍以上も高いストレスを感じる結果となっている。対象となった女性は、「便秘が原因で仕事が億劫になった」と回答しており、ストレスと便秘の相関、そして仕事への悪影響が浮き彫りになってくる。

働く女性にとって、“大敵”ともいえる便秘。なんとか解消する方法はないものか。齊藤氏は、その3本柱として、食事・運動・休養を挙げた上で、おならや便意をガマンしない、食物繊維や発酵品を摂る、夜食は控える、運動や腸マッサージ、0時前就寝、ストレスを溜めないの6つの具体策をアドバイスする。本郷氏も同様の策を挙げつつ、本質的なポイントして、「便秘も病気であることを認識し、しっかりと病院でみてもらうことが大切です」と便秘を軽視しないよう忠告した。

アボット・ジャパン(東京都港区)の調査では、便秘の有職女性が医療機関を受診しなかった理由のトップは「病気ではないと思ったから(50%)、2位は「受診が億劫だから」(46%)となっており、軽視ぶりがうかがわれる。職場においては、女性は、男性のように周囲をそれほど気にせず、腸トラブルにも向き合うことが難しい側面がある。結果的に、ますます便秘症状を悪化させることにもなりかねなず、ストレスも増大する。まさにカラダも仕事も“糞づまり”になり、憂鬱になるだけだ。そうなる前に、明確に病気として認識し、向き合ってみる。それが、働く女性にとっては実は一番の改善への近道といえるのかもしれない…。

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