職業

洗練された修理工、「アイテック」とは

投稿日:2016年2月16日 / by 瓦版編集部

iCracked(アイクラックト)

iTech(アイテック) 携帯修理工
櫛田蒼史氏

スマートフォンおよびタブレット端末の修理をする技術者。そういうと地味な印象を抱くかもしれない。だが、シリコンバレー発の「iCracked(アイクラックト)」で働くスタッフにそんなイメージはまるでない。修理の概念を覆す戦略で躍進する同社は、フォーブス誌が選定する「2015年最も有望な企業ランキング」で18位に選ばれるなど、創業5年で急成長中だ。2015年12月東京・渋谷にオープンした同社初の店舗型でオープニングスタッフの正社員として働く、櫛田蒼史氏に「iTech(アイテック)」と呼ばれる修理工としての仕事の魅力や可能性を聞いた。

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シリコンバレー発の困った時の頼れる修理工房

愛用のiPhoneを落とした、ぶつけた、踏ん付けた…。その結果、ディスプレイが損傷。無残にもヒビが全面を覆う。ひどい場合には、電源を入れても画面が真っ黒。そんな時、たいていの人は出来るだけ早く修理したいと思うだろう。ところが、現実には修理に時間がかかったり、個人情報漏れが心配、といった不安もあり、そのまま使用を続けている人もいたりする。iCrackedは、そうした不安を全てクリアにした、便利で使える修理工房だ。

櫛田氏 私どもが請け負うのは、基本iPhone及びiPadのディスプレイの交換です。まず受付の段階で修理可能かを判断し、可能なら一緒に修理ブースへ移動。お客様の目の前でパネル交換をします。所要時間はトータルで約30分。前後にチェックをしますが、修理自体は、15分ほどで終了します。目の前で修理するので、お客様には非常に安心していただけます。

修理の概念覆る戦略で顧客に驚きと感動を

修理可否を見極めるのに要する時間は、わずか3分。見積もりは、顧客の要望を聞きながら行い、一度確定すれば、それ以上一切、請求しない。そして、顧客の目の前で行う対面修理。さらに修理ブースとは思えない洗練された空間。修理中のコミュニケーション…。あらゆる点で修理の概念を覆す同社のサービスは、もはや、エンターテイメント的な要素を備えているといっても過言でない。

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櫛田氏 お客様は故障した端末をすぐに修理をして使いたいという方がほとんど。ですから、持ち込んでわずか30分で作業が終わることはとても感謝されます。ただ、私どもが最も注力しているのは早さ以上にクオリティです。交換するディスプレイは、メーカー純正品ではありませんが、全て自社調達で、1枚1枚全てを検品し、QRコードが入っています。もしも不具合があった場合は、修理後も部品は永年保証します。対面で修理する安心感はもちろんですが、そうした部分も徹底してこだわっているので、信頼いただけると思っています。

未経験でも短期で上達できる合理的なプログラムを完備

鮮やかな手さばきで、悲惨な状態のiPhoneを新品のように蘇らせる、まさに職人技をみせる「iTech」。もともと関連の仕事に従事していたのかと思いきや、櫛田氏は、意外な職業からの転身組だ。

櫛田氏 前職はバーでアルバイトをしていました。最初は、友人に誘われて、iPhoneを修理できたらかっこいいなくらいの感じで、バイトで入りましたが、全くスキルはありませんでした。手先が器用という自負はありましたが、当初は本当にトレーニング漬けでなかなか苦戦しました。動画と参考書を何度も見て、反復の日々でしたね。でも、対面での修理なのでバーでの接客技術が活かせ、なにより、持ち込んだ時のお客様の困った姿から、修理が終わった後の喜びいっぱいの姿をわずかの時間で共有できることには、とてもやりがいを感じています。実は、それまでは特にやりたいと思える仕事はなかったのですが、いまは毎日とても充実しています。

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修理工としては素人だった櫛田氏が、2か月ほどで一人前になった裏には、同社の効率的な教育プログラムがある。動画とマニュアルがオープンになっており、修理工はいつでもどこでも閲覧し、反復練習が可能。さらに、修理に関するデータが、随時蓄積されており、これまでに数十万という修理事例が、ネットですぐに取り出せる状態となっている。現地アメリカでは、個人事業主が出張型でサービス展開していることもあり、修理クオリティの均質化は徹底しているのだ。

スマホ画面が割れた=iCrackedにするのが目標

櫛田氏 動画とマニュアルである程度のレベルには達したのですが、渋谷店オープンにあたっては、世界初の店舗型ということもあり、本国から指導者が来てくれたんです。直接指導してもらうと新たな発見がいくつもあり、モヤモヤしていた部分がクリアになり、やはり本物は違うと実感しました。まだまだ学ぶべきことはたくさんありますが、お客様の期待に応えられるよう精進していきたいですね。

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オープン3か月。対面修理の安心感や修理クオリティ、迅速な対応などが口コミなどでも広がり、店舗は連日盛況だ。日本でも順調な滑り出しを見せている。今後は、渋谷を起点にフランチャイズで多店舗展開も視野に入れ、日本のスマホ修理に旋風を巻き起こす勢いだ。最後に、櫛田氏に、iCrackedとしての将来の目標を聞いた。

櫛田氏 まず言いたいのは、ディスプレイが割れたらすぐに修理しましょう、ということです。割れても動くからと使っている人もいると思いますが、割れ目から水分が入ると取り返しのつかないことになります。水没していなくても空気中の湿気などで故障につながることはあるので、迅速に修理に出しましょう。そして、その時には、誰もがまず「iCracked」が頭に浮かぶようになるようにする、というのが目標ですね。そのために信頼を積み重ねていきたいですね。


<iCracked(アイクラックト)>
iPhone iPad修理 iCracked渋谷店米カリフォルニア・シリコンバレーで2010年に創業。インターネットを通じたスマートフォン修理を、アメリカ、イギリスおよびドイツなどで展開する。トレーニングを積んだ「iTech」(アイテック)と呼ばれる修理担当者約4,000人が所属しており、本国ではネットからの依頼に応じて修理を行う。iTechが日々行う修理内容は蓄積され、現在数十万件の修理データがナレッジデータベースとして共有されている。渋谷店のような店舗型は世界初。外装交換修理のみを扱う。「登録修理業者制度」へ申請手続きを開始中。

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