働き方

社内ニート

【社内ニート】

社内ニートとは、会社に所属しているものの仕事がない人のことを指す。社内にいながら仕事をせずに時間だけを浪費していく。拘束時間だけは確保されており、何もせずに毎日8時間過ごすのはそうとうつらく、キツイ労働環境であることには間違いない。
もともとニートとはNot in Education, Employment or Trainingの略語であり、学生でもなく雇用もされていなく、訓練すら受けていない人のことを指す言葉であった。社内ニートという言葉は「雇用されている時点でニートではないので矛盾している」という意見もある。しかし、社内ニートという言葉が流行り出した背景にはもっと深刻な実体が隠されている。不況による、新人を教育する余裕がない社内事情や、企業の成長を見込んで採用した人員が溢れている状態も社内ニートを生み出す要因となっている。

とても辛い社内ニート

会社に仕事をしにきているにもかかわらず、仕事を振ってもらえずすることがない。無駄な時間だけが過ぎていき、定時に帰るのも申し訳ないので、1時間程度だがいるだけの残業を済ませ家に帰る。これが毎日続くと聞けば、まともな人であればどれだけ辛いか想像できるだろう。
自分が社内ニートであると自覚してしまった場合、この状況における辛さや精神的負担はさらに増える。周りに自分がどう思われているのかが気になってしまい、常に萎縮した態度で日々を過ごすこととなる。
しかし、自分が社内ニートだと自覚しているだけまだましであり、改善の余地はいくらでもある。まずは考え方を変えて仕事に取り組んでいこう。仕事のやり方を変えたり、仕事の貰い方を変えたりしながら、自分の環境や能力を見直せるかが重要になるのだ。

とても楽な社内ニート

会社に仕事をしにきているけれども、実質仕事という仕事はしていない。時折、仕事を頼まれることもあるが、それすらも満足にこなすことができない。しかも、自分の能力が仕事内容に追いつかずできなかったことについて、悪びれもせず上司のせいにしたり、与えられた課題のせいにしたりする。そのせいで、また仕事は激減、負のスパイラルに突入するが、本人はどこ吹く風といったタイプの社内ニートも存在する。
こちらは本人が社内ニートだと自覚していないため、毎日の作業が楽だと感じている。定時で上がる日もあれば、残業代欲しさに何もすることがないのに残っていたりする。普通の神経では申し訳ないという感覚に陥りそうだが、無自覚型の社内ニートは「会社にいること=仕事をしていること」と勘違いしているため、いれさえすればいいと思っており、本人は全くダメージを受けない。当然のことながら周囲の人からはうとまれ、厄介者という扱いをされている。このタイプは社内ニートからの脱却ができずに、リストラ対象者として扱われていく。

社内ニートの日常

10:00 会社に出社する(朝礼などに参加)
11:00 パソコンの前で作業という作業を行わずネットサーフィン(業務に関係ないもの)
12:00 ほかの社員より早めの昼食
14:00 二時間近く掛けて昼食をとり会社に戻ってくる
15:00 自分と同じ境遇の人間をネットで検索しては事例を見て安心する
16:00 徐々に眠くなる
17:00 あと二時間で帰れると思い目が冴えネットサーフィンに注力し始める
18:00 帰る準備を始める
19:00 周りの様子を伺いながらそっと帰る。帰れなかった場合は残業へ
20:00 残業限界時間

社内ニート

社内ニートが生まれる理由

会社に社員を育てる余裕がなく放置する

不況のために、会社は人手にも経済力にも余裕がない。そのため、せっかく人を採用をしても、その会社や職務にあった教育の機会を与えることができず、ビジネスマナーや業界知識について構築できていない社員を“即戦力”として扱おうとする。教育を受けなかった社員に仕事ができるはずもなく、その結果、そういった社員には仕事が回されないという悪循環が生まれる。
会社側が主張する「人手が足りない」という言葉は、「その職に見合った能力がある人手が足りない」という意味であり、誰でもその職に値する能力を持っているわけではない。そして、その能力というものを面接の場で測りきれるわけがないので、雇用後に社内ニート化が起こってくることもありえる。新人であれ、中途であれ自ら動く気力がないとこの状況は打破できないであろう。

本人にやる気がない

仕事に対して、やる気の欠片もない人は社内ニートになりやすい。どうにかしてサボろうと、仕事の質を落としたり、他人に押し付けたりと工夫をこらし、空いた時間でネットサーフィンをしたり、居眠りしたりする。そのうち周囲からの信頼は薄れ、「あいつに仕事を頼んでも無駄だ」と割り切られ仕事が回ってこなくなる。本人のやる気というのが一番の問題である。こればかりは、どう奮起させようともコントロールが難しいものだからだ。そもそも、そういった人間については何故今の仕事を選び、職に従事しているのかを聞いてみたい。そこには、夢や希望があったのか、はたまた何気なく受けたら入れてしまったのか。会社から給料を貰うということは、自分の仕事が会社への貢献として認められるからこそのことである。そういった感覚が薄れていけばいくほど、社内ニートに近付いていくだろう。

パワハラ上司が仕事を取り上げてしまう

部下に仕事を回さないパワハラ上司がいる。仕事を回して貰えないのはその部下にも原因があるのだろうが、人の上に立つものとして上手に人材を活かすことができなければ、上司として存在する意味がなくなってしまう。本来上司の役割は、自分が抱えている仕事を上手に回すことにだけではない。仕事のできない部下がいれば、その理由を考えて指導すべきである。タスクマネジメントと人材マネジメントを両立してこそ、上司としての威厳が保たれるのである。

経営悪化による事業の縮小

例えば、とある事業を行っていたチームが、業績不振などを理由に解散してしまったときに一旦メンバーは仕事を失ってしまう。能力が高いものから別のチームに配属されていくのだが、その辞令を待っている間に社内ニートが生まれる。これはあくまでも次の組織編制を待つための猶予期間ではあるが、そのときの過ごし方一つで、一時的な社内ニートで終わるか、慢性的な社内ニートとなるかが分かれていく。事業の解散、縮小であればまだましだが、会社事態の解散や縮小となると、社内ニートどころか、リストラ対象者にすらなりかねないので気をつけておいたほうが良い。

社内ニートが引き起こす害

社内ニートという存在に関しては百害あって一利なし、というのが定説である。それもそのはず、社内ニートがいるだけで周りの士気がドンドンと下がっていくからである。社内ニートの存在が普通に働いている人の負担になっていくのだ。特にそれが給料の差別化などの部分で評価として反映されていないと、さらに士気低下につながる。自分はこれだけ頑張って利益を上げているのに、社内ニートは何もせずにいるだけで、分不相応の給料を貰っているという風に考えてしまうからだ。

社内ニートはなぜ解雇されないのか

日本の労働慣行上解雇しづらい

社内ニートは若者に多いといわれる。つまり、かつての似たような“給料泥棒”として存在した窓際族とは違い、曲がりなりにも就職戦線をくぐり抜けて入社した戦力であり、仕事は無いにしても、それなりの価値を感じたからこそ会社側も採用している。当然、上司もいるわけで、それを使いこなせていない責任もある。当人の自覚のなさも大きいが、多分に玉突き的な部分もあり、解雇となると、かなりの不当性がある。

とある企業では、社内ニートを排除しようと早期退職者を募ったが、辞めて行ったものは見事に有能で利益を上げている社員だったという事例も報告されている。理由は明白で、他人以上に働いているにもかかわらず、他人より評価されていないと感じていた人間が、次々に辞めていったからだという。働いていない人物の存在が、有能な人間にとってかなりの負担を与えていたという現実が、企業に突きつけられた瞬間であったといえよう。

社内ニートなりの役割があるため

社内ニートと言えど、簡単にこなせるほどの業務を与えられている場合もある。社内ニートには、誰にでもできるが、誰かがやらなければいけない仕事が割り当てられ、それさえこなせば業務は終了だ。楽ではあるがリスクは高く、会社が経営危機に陥った際には、真っ先にリストラの対象になるポジションでもある。

社内ニートから抜け出す方法は?

上司に掛け合う

まずは、身近な上司に「お手伝いできることはありますか?」と聞いてみることから始めよう。もしかすると、その言葉を待っていたとばかりに、仕事を回してくれるようになるかもしれない。

人事部に掛け合う

もしもひとりだけ仕事を与えられない状況であるなら、上司ではなく人事部に相談してみるのが良い。人事部なら、社員の適性を見極めて配置転換をしたり、上司に注意喚起をしたりなどの措置をとることができる。

会社に企画をプレゼンする

暇な時間に全力で事業プランを立ち上げるなどして、上司を納得させ、仕事を生み出せば、脱出できるはず。一発では難しくても何度もチャレンジすることで突破口は開けるかもしれない。

転職する

社内ニートを脱しようと自ら求めても、仕事が回ってこない場合、会社に見切りをつけて転職するのもひとつの方法だ。やる気のある社員に仕事を与えないなど、組織としてあってはならないことである。社内ニートを作りだすような会社にいても、自分のためにはならないだろう。

誰でも社内ニートになる可能性がある

自分は関係ない、と思っている人が多いことだろう。一応、危険度チェックしてみよう。「上司との相性が悪い」、「社長がワンマン」、「成果至上主義」、 「他部署の仕事内容が不明」、「特定業務が属人化している」。5つのうち、1つでも当てはまるようなら、社内ニート化の危険性は高い。そもそも、主体性がなく、自立の精神がない人は、まともな会社にいたとしても、事実上の“社内ニート”といえるのかもしれない。肝に銘じて、業務に取り組もう。

あなたは社内ニート?チェックしてみよう

このリストの中で、5つ以上当てはまればあなたは確実に社内ニートだ。どうにかして抜け出る方法を考えなければいけない。

定時で帰れるが、あえて時間を潰して残っている

いつでも休憩がとれる

ブラウザの履歴が業務に関係ないことで埋め尽くされている

仕事中、SNSに毎日10件以上の投稿をしている

1日に誰にも会社のメールアドレスからメールを送らない

用もなく何度も席を立つ

1日に何度も暇を感じる

仕事を探しても見つからない

急に休みを取っても誰も困らない

1日中仕事についての会話をしない

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