働き方

センスがなくても成功させるための極意とは

投稿日:2017年1月16日 / by

変人・安田の境目コラム

境目研究家はなぜ誕生したのか

私にはネーミングのセンスがありません。そのことに気がついたのは、30代後半になってから。プロのクリエーターが作ったネーミングを見て、自分のセンスのなさを知りました。それ以来、重要なネーミングは全て、プロに頼んで作ってもらっています。
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私自身が考えたネーミングで、これは成功したなと今でも思えるのは2つだけです。そのひとつ目は「千円札は拾うな」。ご存知の方も多い、書籍のタイトルです。私はこのタイトルを考えるのに、なんと6ヶ月もの期間を費やしました。6ヶ月の間に考えたタイトル数は、400〜500くらいはあったと思います。でも考えた甲斐はありました。タイトルの奇抜さもあり、この本は30万部も売れたのです。

もうひとつは、現在の職種名。「境目研究家」です。これは考えた、というよりも辿り着いた、という感じでした。人は何のために働くのだろうか、とか、会社は何の為にあるのだろうか、とか、なぜ犬は働かないのだろうか、とか、ゴミは、いつゴミになったのか、とか、考え続けているうちに、辿り着いたのです。

誰にも考えてもらえない、境目がある。でも結構大事な境目であるような気がする。だったら自分が考えてあげよう。誰にも頼まれていないけど、勝手に考えよう。それが「境目研究家」誕生のいきさつです。

奇抜にみえても経営目線で緻密に

しかし、私も食べていかなくてはならない。境目研究を、お金に変えなくてはならない。そうだ、講演で発表しよう。講演を増やす方法を考えよう。ということで出来上がったのが、例の28ページの名刺だったのです。自己破産して99万円しか現金がないのに、50万円もかけて名刺を作りました。

「頭が、おかしいんじゃないか」。よくそう言われます。特にこの名刺を作った時には、みんなから呆れられました。でも結果的には、投資効果は大でした。名刺の評判は上々で、講演会で配ると次の講演依頼が増えました。経営相談の依頼も増えました。50万円の投資は、あっという間に回収出来たのです。

どうも私は、思いつきだけでやっているとか、ウケだけを狙っているとか、思われがちです。でも、本当に、本当に、ちゃんと考えているのです。経営者らしく、計算もしているのです。ただ、説得力がないんですよね。だって、あんな間抜けな潰し方を、してしまいましたから。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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