働き方

なぜ人間は「自分のこと」が分からないのか…

投稿日:2016年4月25日 / by 瓦版編集部

~変人・安田佳生の境目コラム~

自分のことを理解するのが簡単でない理由

「お前はもう死んでいる」とケンシロウはよく言っていました。死んでいるのに、本人には自覚がない。恐ろしい事ですよね。でもじっさい、こういう事ってあるような気がします。自分自身の事なのに、自分では分からない。

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たとえば自分は何がやりたいのか。どういう事が得意で、どういう事が不得意か。欲しいものは何か。譲れないものはあるのか。自己分析などという手法がありますが、自分の事を理解するのは簡単ではありません。自分でも気がついていない、自分自身の本質。そこに辿り着くことが出来れば、人生はかなり成功に近づいたと言えるのではないでしょうか。

なぜ人間は、自分のことが分からないのでしょう。自分自身を過大評価しているから。等身大の自分を見たくないから。そういう事もあるのかもしれません。でも最大の理由は、その生活環境にあるような気がします。

人は生まれた時には100%ポジティブな存在なのだそうです。自信のない赤ちゃんはいない。そりゃあ、そうですよね。「どうせ自分なんか、二足歩行出来ないよ」なんて考えている赤ん坊がいるはずないですから…。

自分の本来の姿を知る方法

でも物心がついて、色んな体験をしていくうちに、どんどん自信を失っていくわけです。「そんなことやっちゃダメでしょ」と怒られたり、「おまえは走るのが遅い」と指摘されたり、「友達よりも成績が悪い」と比較したり。「あなた何勘違いしてんの」とフラれたり。余程の完璧人間でない限り、人間というのは生きているだけで傷つき、生きているだけで自信を失くしていく。人生はそのような設計になっているのです。自信を失くし、比較され、役割を決められる。

あなたは学級委員。あなたは劣等生。あなたは球技が得意。あなたは歌が下手。あなたの順番はここ。あなたの進路はこう。比較によって自分を順位付けされ、求められる役割によって自分を演じ、社会の常識に従って自分の居場所を決める。気がついた時には、自分自身を見失っているわけです。

他者と比較せず、周りからどう見えるかに惑わされず、誰にどう思われようと関係なく、常識などという先入観をゼロにし、本当の自分自身と向き合う。そんなことは、この複雑でドロドロした人間社会に住んでいる限り無理なのです。

「自分は、本当の自分を見失っている」。そう考えることから、全てはスタートするのです。もっと純粋で、もっとポジティブで、もっとバカで、もっと可愛く、もっとお茶目な存在。それが本来の自分であり、本来の人間の姿なのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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