働き方

女性活躍社会が望ましい生物学的見解

投稿日:2016年7月19日 / by

生命誕生から十億年余り生物は全てメスだった

地球が誕生したのは今から45億年前。そして地球に生命が誕生したのは40億年前である。それから十億年あまり、誕生した生物は全てメスだった。地球生物の歴史はメスの歴史であると言っても過言ではない。

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実際に今でも、メスしかいないトカゲや、メスだけで単為生殖する昆虫が存在する。メスからメスへと遺伝情報は受け継がれ、種としての絆が紡がれてきたのである。だがこの場合、子孫は全て先祖のクローンという状態になる。

より優秀な生物へと進化を遂げるためには、遺伝子と遺伝子の交配が必要となって来る。そこで現れるのがオスという存在だ。メス同志の遺伝子を交配する役割を担って。つまりオスとは、メスという生命の縦糸同士を繋ぐ、横糸に過ぎないのである。

ギンブナという魚は、普段はメスしか存在しない。遺伝子の交配が必要な時だけ、便宜的にオスが生まれて来るのである。アブラムシも同様に、一年のほとんどをメスだけで過ごす。オスが登場出来るのは一年に一度だけだ。ミツバチは女王蜂も含め、働き蜂の全てがメスである。オスは、ただただ女王蜂と交配し、役割が終わると巣から追い出されてしまう。

正しい生命の系譜は女系女子と認めるべき

もはや認めなくてはならないだろう。地球生物の家系図は、我が国の天皇家とは正反対に出来ているのだ。すなわち女系女子こそが、正しい生命の系譜なのである。

だがここに、ルールを真っ向から否定するような生き物がいる。そう、私たち人間である。人類の歴史は男によって作られてきた。HIS(彼の)STORY(物語)と書いてHISTORY(歴史)と読む。これは地球生命への明らかな反抗である。

横糸としてぞんざいに扱われてきたオスが、そのメス社会に対してクーデターを起こし、主役の座を奪い取ってしまった。それが人間という特殊な生き物なのかもしれない。この世にオスから生まれる生命はたったひとつも存在しない。全ての生命はメスの体から誕生する。にもかかわらず、そのメスを押しやって、オスが人間社会を牛耳ってきた。その結果、今のように歪な社会が誕生してしまったのかもしれない。

人間同士で競い合い、人間同士で奪い合い、人間同士で殺し合う。それは紛れもなく、オスの持つ性だ。オスに主導権が移った結果、同種で攻撃し合うこの不自然きわまりない社会が出来てしまったのである。

メスに対するクーデター。それは自然の理(ことわり)に対するクーデターでもある。未来への不安、終わりなき競争、勝つことへの執着。人類の苦しみは全てそこから始まっているのかもしれない。もしも社会の主導権がメスに移ったら、すべての国のリーダーをメスが務めたら、人類の紛争は一日で終了するかもしれない。協調と存続こそがメスの持つ性(母性)だからだ。徳川幕府が自ら大政奉還したように、人類のオスも潔く大政奉還するべき時を迎えているのかもしれない。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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