働き方

同一労働同一賃金で得をするのは誰なのか…【瓦の目】

投稿日:2016年8月26日 / by 瓦版編集部

難産必至の同一労働同一賃金

働き方改革の動きが活発化している。同一労働同一賃金や時間より成果を実現すべく、予算確保や具体的アクションも目立ち始めた。社会構造と従来の働き方に齟齬が生じ始めていることを考えれば、この方向性は間違っていないと思う。だが、特に「同一労働同一賃金」については、現実的に考えると実現にはかなりの難産となる気がしてならない…。

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身近なところに、アルバイトから正社員に昇格した人がいる。バイト時代の働きぶりが評価され、本人の希望もあり、実現した正社員登用。社員になったことで、少し仕事は変わったが、途端に帰宅時間が遅くなった。バイト時代はもちろん定刻で帰社していた。決して、残業を強要しているわけでもない。社員としての責任感から、業務への姿勢がより高まった結果といえる。

一方、バイトながら優秀で、正社員化を奨めている人材がいる。だが、彼はあくまでバイトという雇用形態にこだわり、マイペースで仕事を続けている。両者の仕事を単純比較はできないが、“同一労働”といっていいレベルだ。だが当然、雇用形態に伴う給与格差はある。

同一労働同一賃金の実現が生むモヤモヤ

もし、同一労働同一賃金が実現したら、2人の給与は同じになる。片や残業、片や定時帰宅は変わらないだろう。その意味では、バイトの彼の方は、モチベーションが上がり、これまで以上にいい仕事をするようになるかもしれない。一方、正社員の彼はどうだろう。モチベーションが下がりこそしなくても、なにかモヤモヤ感がまとわりつくのではないだろうか。

単にスキルや能力の“差”というだけで両者の境遇を比較はできない。強いて言えば、価値感という言葉が、近いかもしれないが、正社員の彼も決して会社に身を捧げるために正社員の道を選択したわけではないハズだ。正社員になることを望むほとんどは、「安定」を求めてのものだろう。2人をみていると、同一労働同一賃金は果たして、本当にみなが幸福になる施策なのかと考えさせられる。同時に、正規・非正規を超越した、もう少し柔軟性のある賃金体系構築の方が、雇用がスキルベースでない日本の文化にはモアベターな気がしている。

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