働き方

共働き・子育てしやすい企業グランプリ企業は何をしているのか

投稿日:2016年12月2日 / by

共働き子育てしやすい企業グランプリはサントリー

「共働き子育てしやすい企業&街グランプリ2016」の表彰式が2016年12月2日都内で開催された。同賞は、日経DUALが主催。企業版は、今回初めて実施された。グランプリはサントリー・ホールディングス。2位が丸井グループ、3位ダイキン工業と続き、ともに特別奨励賞を受賞した。街グランプリは、東京編が新宿区、東京を除いた全国編では浦安市となった。企業版は来年以降、公募も行う。

受賞企業の面々

受賞企業の面々

女性活躍が推進される風潮が強まる中、共働きと子育てに着目した同賞の企業版は、真の男女平等の観点からも意義のある評価イベントいえる。世帯所得維持のために、共働きは当たり前になりつつある。そうなればもはや、子育て関連はすべて女性の役割という価値観では矛盾が発生する。そこで、同賞では選考基準の中に、しっかりと男性の子育て関与も盛り込まれている。

公開された評価ポイントの一番最初にきているのは、「男性社員の多くが(3日以上連続の)育休を取得しているか」だ。その他にも子育て関連の仕事との両立支援に、社員の配偶者も巻き込んでいるか、という項目もある。単に子育て支援が充実している会社とは一線を画し、子育てに対し、さらにもう一歩踏み込んだ企業を表彰する。そうした点で、同賞は、本気で子育て支援に取り組む企業にとっては評価されがいがあるといえそうだ。

 グランプリ企業はなにがすごいのか

グランプリを受賞したサントリー・ホールディングスはどんな取り組みをしているのか。軸となっているのは、テレワークとコアタイムなしのフレックス制(5時から22時)だ。この2つのクロス活用によって物理的制約をできる限り排除し、柔軟な働き方を実現している。もっとも、これだけなら、簡単にできそうだが、同社の場合、そこにキャリアプランをしっかりと組み込むことで、社員が単に制度に甘えるだけでなく、主体的に復職を視野に入れながら、モチベーションを落とすことなく両立できる体制を確立している点がすぐれている。

表彰式後半のシンポジウムで取り組みついて語るサントリーの

表彰式後半のシンポジウムで取り組みついて語るサントリーの小野氏(左から2人目)

同社執行役員で人材開発本部長の小野真紀子氏は、その狙いを次のように明かす。「子育て中だから、セーブするのではなく、そうしなければいけない障害をこちらができる限り取り除くということ。だからフルモードとしています」。こうしたスタンスは、子育て中の社員を本気で戦力として考えているからこそで、企業・社員双方にとってプラスに働くことになるだろう。

瓦版が行った男女の働くことに関する意識調査でも、女性の85%が結婚後も仕事継続を継続すると回答。男性側も75%が妻の就業継続を希望すると答えている。不透明な経済情勢が背景に見え隠れするが、もはや共働きは日本社会の常識となりつつある。右肩上がりの時代の常識からの転換が、企業が成長するには不可欠な時代となっている。その意味では、“夫婦そろって働きたい会社”となることが、今後、企業が成長力を高める意味でも重要な指標のひとつとなるかもしれない。

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