働き方

仕事と子育ての融合? 企業内託児スペースの概念を超えた施設設置に込めた思い

投稿日:2016年12月5日 / by 瓦版編集部

従来と一線を画す企業内託児スペースを開設

女性が活躍する職場づくりには、物理的な障壁をいかに取り除けるかが重要な要素となる。フレックス制度や在宅勤務は、代表的な施策だ。スクランブル体制が強いられる子育てほど、仕事を続けていく上でのネックはない。だからこそ、本気で優秀な女性社員の活躍を望む企業は、経営戦略に絡めるレベルで職場環境改善に取り組んでいる。

保育士も同じ会社の社員だからこんな光景も普通です

保育士も同じ会社の社員だからこんな光景も普通です

(株)ワークスアプリケーションズが2016年12月中旬にグランドオープンする企業内託児スペース「WithKids」は、子育てサポートの域を超えた職と子育ての融合ともいえる、働き方の根幹にも迫る運営スタイルを採用。優秀な女性社員の就業継続はもちろん、子育ての質にも踏み込み、従来の企業内託児スペースと一線を画している。

 自社運営で、保育士も正社員として採用

最大の特長は、自社運営という点だ。理由は、そうすることで、自由な育児環境を選択できるから。子育てでも、各家庭によってさまざま事情がある。直接運営なら、細かい要望も柔軟に落とし込める。保育士を同社の正社員として採用することで、互いに「お任せ」、でなく同じプロとして共通の課題として向き合える。もちろん、職として区分けすることはなく、保育士の給与は同社の水準に準じる。「WithKids」は、単なる社内託児施設ではなく、事実上、同社の一事業部といえる位置づけなのだ。

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 同社がこれまで、女性の働きやすさをなおざりにしてきたわけでは決してない。むしろ、手厚くフォローしている部類だ。2004年から導入している、出産・育児支援制度「ワークミルクラブ」では、職場復帰時の特別ボーナス支給、小卒まで活用できる短時間勤務制、子供の病気やけがの看護が必要な場合の特別手当など、十分といえる内容で働く女性を支援してきた。そこへ加えての「WithKids」開設、だ。

なぜここまで子育て支援に力を入れるのか

同社CEOの牧野正幸氏は、ここまで踏み込む理由を次のように明かす。「働く意欲の高い、優秀な女性人材が働き続けるためにあるべき育児環境となにか。その答えが、社内に託児スペースをつくることで絶えず子育て関与できることと考えた。ベストは会社で一緒に子育てしていく概念。『WithKids』を始めた理由はそこ。優秀な保育士を確保するために高報酬を支払うが、もともと弊社は採用コストは大きく、長い目でみてもコスト的な問題はないと考えている」。

Withkids誕生の思いを語る牧野CEO

WithKids誕生の思いを語る牧野CEO

単に社内に託児スペースを設けるだけでなく、優秀な保育士を正社員として採用することで、ママ社員の安心感も担保。さらにママ社員以外が専門分野の“1日先生”として、こどもに特別授業を提供するなど、会社全体で子育て環境を充実させるという仕組みも導入しており、まさに、職と子育ての融合と言っても過言でない先進的な取り組みとなっている。

1企業の本気が保育士問題に波及する可能性も

企業内に託児スペースを設置することには、メリットの反面、こどもを通勤ラッシュで連れ歩くことやおむつなど子育て関連の荷物が増えるなどの課題もある。そうした点は、フレックスタイム制や施設内に必需品を常備するなどでクリア。むしろ、自社運営のメリットを最大限に活かし、保育時間の融通や親子への食事提供など、仕事と子育てのより円滑な両立のための工夫があちこちに散りばめられたスペシャルなサポート施設となっている。

自身も2児のママで仕事と子育てを両立する女優の木村佳乃氏(中央)はトークセッションで「うらやまし過ぎる」と絶賛。左は牧野CEO,右は子育て本著書で講演家の立石美津子氏

自身も2児のママで仕事と子育てを両立する女優の木村佳乃氏(中央)はトークセッションで「うらやまし過ぎる」と絶賛。左は牧野CEO,右は子育て本著書で講演家の立石美津子氏

物理的な課題解消のために企業内に託児スペースを設けるだけにとどまらず、保育士を正社員として迎え入れるなど、仕事と子育ての両立問題へあえて大きく踏み込んだ同社。託児スペースの設置場所は、もともと、同社の執務スペースだったエリアで、天気が良ければ富士山も望める“一等地”。そこを子供のためにあてがったというだけでも、その本気度が溢れている。女性活躍の文脈から生まれた、同社の子育て支援の取り組みは、保育士の報酬問題にも一石を投じるだけに、今後の展開が大いに注目だ。

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