働き方

業務効率化が女性活躍につながる理由【瓦の目】

投稿日:2015年10月2日 / by

イクメンアワードの意義

ikubos

「イクメン企業アワード2015」および「イクボスワード2015」の受賞企業が2015年10月2日、決定した。前者は3回目、後者は2回目。目的は、育児を積極的に行う男性=イクメンを応援し、男性の育休取得を促進するイクメンプロジェクトの一環として、働きながら安心して子どもを産み育てることができる労働環境の整備推進だ。

女性が活躍するためには、女性が働きやすい環境をつくると考えるのが自然ではある。しかし、この考えには、家事や育児は女性がするものという暗黙の前提がある。本当に女性が社会で活躍するには、子どもを産む以外の部分を男性が平等に担ってはじめて実現する。裏を返せば、これまでそれができていなかったということだ。だからこそ、こうした形でイクメンを評価するイベントには大きな意義がある。

では、具体的にどうすればそれが実現するのか。これは、なにも特別なことはない。家事や育児をできるよう、オフの時間をねん出することだ。つまり、残業時間を削減し、定時帰宅を目標に生産性を向上させ、業務の質を高めることだ。日本の労働現場には強い同調圧力があり、定時帰宅が困難な職場も少なくない。その意味で、イクボスの表彰が連動していることは、大きなポイントといえる。

イクメン定着の先にあるもの

イクメンが定着し、効率的な労働が普及していけば、結果的に全体が帰りやすくなる。つまり、定時帰宅に対する同調圧力が薄まる。そうなれば、好循環が生まれ、ひいては残業=悪という逆の同調圧力が醸成されることにもなる。イクメンという視点だけでみれば、「なんで男が子育てで休むのか」という否定派の大きな声も聞こえてきそうだが、問題の本質はそこにはない。不要な長時間労働が、本来必要な家族のための時間を割いていただけなのだ。

受賞企業の中には、男性の育休取得率が3年連続で100%キープしている企業もある。取り組みとしては、イクメンセミナーの実施や育休の有給化制度など、特長的なものもあるが、受賞全企業に共通している取り組みは、業務改善による労働時間の削減だ。「毎日残業で子供の寝顔しか見れない」、とぼやいてるヒマがあったら、少しでも業務改善に取り組み、1分からでも時短を実現する。真の男女平等社会実現への第一歩は、男性陣の時間に対する意識改革にある。

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