働き方

女性管理職3割社会は善なのか悪なのか…【瓦の目】

投稿日:2015年1月30日 / by

女性管理職3割を達成不能とする企業は4割超

womanboss2マイケル・ペイジ・インタナショナル・ジャパンが600社の企業を対象に行った2015年の雇用・給与の調査の中で、2020年までに女性管理職比率を30%に引き上げる目標について、「達成できない」と回答した割合が42%だった。なかなか厳しい数字だが、極めて現実的でもある。

同社ではその理由について「日本の失業率は低く、あらゆる分野で人材が不足する可能性が高くなっている。また、大量の求職者が市場にいるということがほとんどない独特の雇用市場。昇給および女性の活躍支援は、今後も採用において企業の課題であり続けるだろう」と分析している。

グローバル企業だけにその視点は独特だが、男性社会であるという文化的な側面よりもむしろ、あくまで人材市場の視点からの分析だけに、説得力がある。この分析の上に文化的背景、さらには女性自身の管理職への消極姿勢があるワケで、そう考えるとわずか5年後に女性管理職が3割に到達するとは到底思えない。

なぜ女性管理職は拡大しないのか…

周辺の働く女性から聞こえてくる声の多くは「責任が重くなるし、特に管理職には興味がない」というもの。たまたまということも十分に考えられるし、それは否定しない。だが、それにしても日本の働く女性が、たった5年後に管理職全体の3割もの比率としてバリバリ活躍している様子はあまり想像できない。もちろん、実力はあると思うし、そうなってほしいという願いもある。

それなのになぜ…。それはやはり、そもそも労働力不足を補う目的で女性活躍を推奨するようになったことも無関係ではないだろう。労働力を補うだけなら、何も管理職になる必要はない。だからといって、パートやアルバイトで活躍してくださいでは都合がよすぎるし、格好がつかない。そこで、グッと踏み込んで「管理職」という箔をつけた。そんなことを勘ぐってしまう。

ところが現実には、先の調査の分析の通り、大幅に人材が不足しているワケではない。その中に、果たして女性が管理職として入り込む余地があるのか…。もちろん男女平等。活躍すれば女性も管理職になる道はいまでも拓かれている。それは随分前からそうだ。なにもこのタイミングで数値目標が掲げられたからそうなるという問題ではない。政府がリーダーシップを発揮することは、促進にはつながるだろうが、根本が変わっていないのだから大きな進展がみられるとは到底思えない。

誰も分からないからやってみるのがベター?

もしも女性管理職が3割になったらどんな社会になるのだろう。女性がより働きやすい職場が増え、真の男女平等が実現するのだろうか。むしろ、男女ともにストレスフルになり、ギスギスとした社会にはならないだろうか。セックスレスが増え、ますます少子化が加速しないだろうか…。女性がオトコ化しないだろうか。そもそも晩婚化が進まないだろうか…。メリットよりデメリットの方がスラスラと浮かんでくる。こればかりは人それぞれの思いがあるだろうが、個人的には強くそう感じる。

決して、女性管理職3割に反対というワケではない。ただ、その実像が想像できないし、出来てもどうしてもネガティブに寄ってしまう。日本にとって前人未到の領域。誰も知らないのだから当然だろう。だから思う。とにかく、一度実現してまえばいいのだ。どう転んでも、このままでは日本の将来は決して明るくないのだから…。今後は、実力が同等なら女性を引き上げる。各企業にそれを徹底させ、とにかく女性管理職3割を達成する。その結果、なにが起こるのか…。もしかしたら、想像もできない革新的なことが起こるかもしれないではないか。万が一、ダメならとっとと取りやめればいい。

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