働き方

働き方用語の正しい読み方【モラルハラスメント】

投稿日:2015年11月17日 / by

2015年猛威を振るった「いやがらせ」

2015年の流行語大賞にノミネート50にリストアップされたこの言葉。その定義は、言葉や態度、身振りや文書によって、働く人の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に追い込み、離職や職場のムードを悪化させるもの、とされている。主な発生源は職場だが、高橋ジョージと三船美佳の離婚騒動で原因のひとつとして挙げられ、注目された。

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「○○ハラスメント」は数あれど、中でも最も性質が悪いのがこのモラルハラスメント、モラハラといえるだろう。セクハラやパワハラと混同する向きもあるが、例えば異性によるセクハラは性的なものであり、パワハラは、上司や職権乱用によるもので、明確な違いがある。だが、広義には、モラハラは両者を含有するモノという説もある。

高橋・三船の離婚におけるモラハラは、歳の離れた夫の高橋が、三船を自分の価値感によってコントロールし、そのことが三船を苦しめ、婚姻の継続を困難にしたといったこととされる。職場にあてはめれば、上司あるいは同僚による、独断の価値感を押し付け、それから逸脱すると、人格を全否定するような行為があてはまるだろう。

モラハラ対策はあるのか

こうした陰湿でたちの悪い「嫌がらせ」だけに、被害者は精神をやられ、うつ病を発症することも十分にあり得る。パワハラやセクハラはまだ、「ノー」といいやすいタイプの嫌がらせといえるが、こうした事例からも分かるようにモラハラでは、本人には悪意がないケースも多く、「ノー」といっても、ほとんど効果ない。むしろ、嫌がらせがエスカレートする可能性があるから厄介だ。

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瓦版の調査では、嫌がらせを受けたことのある人は90%。その内なんと83.2%が「モラハラ」を挙げた。あからさまで分かりやすいセクハラ、パワハラが職場から姿を消した一方で、陰湿なモラハラが蔓延しているとすれば、職場環境は改善どころか改悪されているといっていい。

陰湿ゆえにわかりにくいが、対策はある。まず、「何かおかしい」と感じたらすぐに知人や同僚に相談してみることだ。相手は独自の価値感で常識のように話すが、世間一般的にはズレまくっているケースがほとんど。第三の目で判定してもらうことで、“異常性”をあぶり出そう。その上で、第三者を介し、距離を置くことを通告してもらう。直接言わないのは、相手が聞く耳を持たないから。第三者にズバリ言ってもらい、キッパリと関係を断ち切る。それが、引きずらず、被害を封じ込めるモアベターなモラハラ対策といえる。

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