働き方

ビジネスパーソンの首都圏志向が低下

投稿日:2015年3月16日 / by

UIターンに関する意識調査

リクルートキャリア調べ

リクナビNEXT調べ

ビジネスパーソンの首都圏志向が薄れつつある。リクナビNEXTが行ったUIターンに関する意識調査結果から分かった。調査対象は、20歳~49歳のビジネスパーソン600人(正社員・契約社員、首都圏在住300人・UIターン転職経験者300人)と採用計画立案に関わる地方圏企業担当者400人。

首都圏で働くビジネスパーソンのうち、どれくらいが地方圏で働くことに興味があるのか。「非常に興味がある」、「やや興味がある」を合わせ、32.6%が地方圏で働くことに興味を示した。回答者が首都圏で働いていることを考えると、かなり高い数字といえるだろう。

地方圏で働くことへの関心度はどの程度なのか。「興味がある」と回答した人のうち、「今すぐにでも」と回答した人は14.3%だった。「今すぐにでも」と回答した人の理由は不明だが、首都圏で働くことへの関心や必要性が、大幅に低下していることを示すデータといえそうだ。

reccareer2一方、地方圏への転職で不安な点は何か、も調べている。トップは39.8%で「希望する仕事があるか分からない」、「収入が減る」が並んだ。3位は「公共交通の利便性」(26.2%)、4位「日常生活の利便性」(25.8%)と続いた。

地方圏転職のメリット・デメリット

調査では、地方圏への転職経験者に良かった点、苦労した点も聞いている。良かった点は「渋滞・満員電車からの開放」(中国・四国、40代男性)、「地域特有の力を入れている業種に携われる」(九州、20代男性)、「空気がきれいな環境になり、健康的になれた」(北海道、30代男性)。苦労した点は「土地勘がなく必需品の購入場所が分からない点」(関東、40代男性)、「仕事以外で友達ができない」(関東、20代女性)、「風習や習慣などになじめない」(九州、40代女性)などがあがった。

地方圏企業の人事担当者へ首都圏からの転職採用関心度も調査している。結果は69.8%が「関心ある」と回答。関心度の高さが分かった。一方で、企業情報のアピールが十分にできているかについては41.4%に留まった。また、UIターン転職者に期待することについては、「業務スキル」(61%)、「チャレンジ精神」(49%)、「企業への定着意識」(46.8%)、「業務知識」(44.5%)と続いた。

地方にとっては復活への明るい材料

reccareer3調査全体からみえてくるのは、首都圏ビジネスパーソンの地方志向の高まりと彼らを受け入れる地方側の高い関心度、そしてそれに追いつかない施策だ。もっとも、過疎化地域でもビジネスパーソンの呼び込みに成功している地方もあり、このギャップはやり方次第でいくらでも埋めることは可能だ。

テクノロジーの進化による、時間と場所に縛られない働き方が浸透している。ビジネスパーソンの価値感の多様化も進む。国を挙げての地方創生の動きも活発になっている…。こうした流れは地方にとって確実に追い風になる。

地方転職への不安トップが、「仕事の有無」ということをしっかり受け止め、魅力ある仕事を創り上げることができれば、それはそのまま「地方創生」につながる。首都圏にない豊富な“資源”を魅力あるビジネスへ転換できれば、地方に活力が生まれ、ビジネスパーソンもどんどん流れ込む。首都圏離れが、地方復活へとつながるサイクルが生まれれば、日本全体の底力も一層引き出されることになる――。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について