会社は行かなければならない場所ではない
井上幸一郎 有限会社オンユアマーク 取締役社長
2000年立教大学経済学部卒。
eラーニングベンダーにて、米国の学習管理システムのローカライズ、販売等に従事。米国民間資格の普及推進にも努める。また、大原学園の資格対策eラーニング講座の法人販売やeラーニング管理システムの法人販売にも従事。2005年、人事コンサルティング企業に転職し、企業研修・人事制度コンサルティングなどの営業・講師・コンサルタントなどを歴任。2007年、3か月の育児休暇を取得。2010年11月、「日本の人事にイノベーションを」をコンセプトに独立。日本ワークライフバランス研究会会員
ホームページ:http://onyourmark.r-cms.biz/
どんな年代の方が、どんなトーンで「仕事に行きたくない」と思っているのかによって、言うべきメッセージは変わってくると感じます。
そんな中で、あえて30代前後の働き盛りが、徐々に仕事に対するネガティブ感情を蓄積させ、鬱々としているという場面設定を想定するならば、次のようなメッセージを送りたいと思います。
「仕事に行きたくなければ、明日から行かなければ良いのではないでしょうか。」
このように言われてあなたはどのように感じましたか?
「でも、生活が」
「でも、責任が」
「でも、自分がいないと」
等々。おそらく、すぐに自分の生活や保身のことが頭をよぎったのではないでしょうか。ネガティブなことをいう人ほど、それを肯定されると、無意識に抵抗する傾向があります。
ではこう言われたらたらどうでしょう。
「大丈夫。貴方がいなくても、会社は回っていくし、働かないで生活を続ける手段は無数にあります。」
どうですか?
「でも、・・・」
なにも反論できないのではないでしょうか。
仕事にネガティブな貴方は、こうやって、責任感やプライドや先入観で、無意識に自分で自分を縛り付けています。行きたくなければ行かなければいいだけの話ですし、いなくたって会社は回っていくのです。それなのに、心のどこかでそれはダメなことだとか、自分の存在をもっと認めてほしい思っているのです。
「行きたくない」は、自分が「行かなければならない」と思っている、もしくは無意識に思い込んでいるだけなのです。自分の中で葛藤や矛盾が渦巻いているのですね。よく言えば真面目かもしれません。だから、大ぴっらには口にしないで、ネットをはけ口にしているのです。でも、それってやっぱり健全ではありません。
まずは、そんな自分に気づくことです。無意識の囚われ(観念)から解放されること。あなたの中で、勝手に芽生えてしまった、“ネバならない幻想”。本当はそんなことはないのに、見えない力が生み出した、責任感。
本当は貴方は、もっと自由な存在です。あなたを縛るものはなにもありません。縛っているのは実はあなた自身です。
それに気づくことが、仕事を好きになる第一歩です。