働き方

プロフェッショナルな社長になりたい人が知っておくべき5つの鉄則

世の中には、星の数ほど会社があり、星の数ほど社長が存在する。大きな企業のトップといわれるような社長から、一人で細々とやっている会社の社長まで、仕事の形は様々だが、会社の経営者として、皆が皆奔走している。それでは、彼らはどうやって社長になったのだろうか?

会社を起業するのはそんなに難しいことではない。昔は、株式会社を作るのであれば資本金が1,000万円以上必要であるとか、有限会社なら300万円以上必要であるとか、いろいろな制約があったが、今現在、資本金は1円からでも起業は可能になった。

厳密にいえば、登記費用などが掛かるため、さすがに1円からというわけにはいかないが、税金や登記費用として必要なのは20万円程度なので、そのぐらいならば用意するのは難しくない。つまり、起業をして社長になるということ自体に対するハードルは決して高くないことがわかっただろう。

しかし、会社というものは利益を上げるために設立するものであって、社長になりたくて設立するものではない。利益を上げる方法は人それぞれだが、会社を動かしていくためには一体どんな心構えが必要なのであろうか?
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それでは、社長になりたいと考える人間が自ら考えるべき5つについて話を進めることにする。

1. やりたいことが明確にあるかどうか

まず、自分が社長になりたいと思うのであれば、何を事業として進めていくのかが明確でなければいけない。世の中にいる数多くの社長は、自分が何をしてお金を稼ぐのかというのをしっかりと明確化してから事業計画に踏み込んでいるのだ。

この明確なヴィジョンがなければ、会社としては事業を進めていくことができない。もちろん、時代の流れに対して柔軟に動いていくことも重要ではあるが、それ以上に社長としての自覚を持ち、自分が推し進めたい事業に対しての想いを必ず胸に秘めておくべきである。

世の中には、何が仕事でどうやってお金を稼いでいるかわからないと感じる人はたくさんいる。会社に属してただ給料としてお金を貰っているだけと感じている人もたくさんいるのだ。しかし、実際はそうではない。会社には売り上げというものが存在し、そこから人件費として給料が出ていることをもっと理解していかなければならない。

街を見渡せば、いろいろなことがいろいろな商売によって成り立っていることがわかるだろう。八百屋をやっている人は、野菜を売ることで利益を上げ八百屋を営んでいる。美容師であれば、人の髪を切ることで対価を得ている。

仕事について深く観察するだけでも、たくさんのお金の流れが見えてくる。それを肌身で感じ取り、自分がやりたいことを明確化できるかが社長になるための第一歩となる。

2. 人を判別する覚悟があるかどうか

個人事業主として働いているのであれば、個の力を活かして対価を生むことができるかもしれないが、会社として事業を動かしている以上、一人で仕事をすることはできない。何人かのチームを組んで、仕事をするのが当然である。

チームを組んで仕事をしていくと、必ずその働きに満足できる人と満足できない人が出てくる。人は皆同じではないので、個人の能力差やモチベーションによって、働きや動きが変わってくる。社長としては、その働きによって人を評価し判別していく必要がでてくる。

評価の軸として一番わかりやすいものが数字とお金である。会社にとってプラスの売上を上げた人間に対して、目に見える評価をしていくのが経営者として重要なことである。誰もが同様に評価できる動きをしていれば、それを単純に給与などの形で返せばよいのでとても楽なのだが、逆に動きが悪い人間に対して、厳しくマイナス評価をしていけるのかが、社長の手腕として重要な部分となっていく。

努力を見るか数字を見るか、この判断が必要なのだ。努力はお金では買えないが、努力が実を結ばなければ、そこは厳しく追及することも必要である。そこに不満を持つ人もでてくるだろうが、その評価の指標をしっかりと打ち出し、理解させていかなければならない。

3. 短時間で物事を決断できるかどうか

経営者は、自分が行っている事業について責任を持って執行していかなければならない。そのため、指示を仰がれたり、意見を求められたりした時には、その場で判断を迫られることも多々あることだろう。決断や判断を先回しにしてしまっては、誰も前に進めない状況に陥る。

物事に対する決断力と、そこにのしかかる責任を背負うのが、社長の一番大きな仕事である。もちろん、自分が下した決断に対して、不平や不満が出ることもある。その不平や不満がまた新たな選択を生み、そこで更なる決断をしていかなければならないのだ。

決断一つで、人にやる気を出させることもできるが、代わりに反感を買うこともある。自分の決断が間違っていないと証明するためにも、そこには「正しい決断」が必要になる。その舵取りをしていくのが社長である。

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4. 人の育成ができるかどうか

社長は会社のブレインであって、意思決定をする人間である。それ以外の業務については、時に人の力を借りなければならないこともたくさん出てくる。優秀な人材を次々と抱えることができれば、企業としては潤滑に動いていくだろう。しかし、才能豊かな人を集めることは容易ではない。

それならば、自分と一緒に働いていく仲間を、自ら成長させていくのも社長としての大事な能力である。何をさせるべきか、どう育てるべきかを明確にし、モチベーションコントロールをしながら、人材を育成していけるかどうかが重要になる。

企業によっては、この役割を別の人間が担うこともあるが、スタートアップなどで始まったばかりの会社では、そこに代役を立てることが難しくなるだろう。だからこそ、仕事の役割分担を考えるとともに、そこに必要な能力やマインドを従業員にも考えてもらう必要がある。

以下記事では、これからの時代に求められる会社員のスキルやスタンスなどを解説している。今の時代を生きる会社員には何が必要とされているのか、優秀な部下を育成するためにもぜひ見てほしい。

デキる会社員が埋もれてしまわないための心構えとは

人の育成といっても、いろいろなやり方がある。自分で勝手に考え自ら動いていける人がいれば、とてもありがたいと感じるだろうが、そのような人間は稀であり、大多数の人間が指示や教育を待っている。成長を促すためのコミュニケーションがとれるかどうかが重要になってくる。

5. 常に未来のことを想像できるかどうか

社長が描くヴィジョンは、そのまま会社のヴィジョンになる。社長が過去ばかり見ていては、会社は前に進むことができない。今行っている事業がうまくいっているからと言っても、未来はどうなっていくのかを予測できなければ、一時の栄華で終わってしまうこともある。

会社を動かすものとして、次の一手は必ず持っておかなければならない。しかし、そこに会社として掲げた理念との相違が出てくると、不平不満が生まれる可能性もあることを忘れてはいけない。

たとえ儲かりそうな話が舞い込んできたとしても、何も考えずに気持ちを乗り換えてしまっては、軸のぶれた経営になりかねない。しかし、今までやってきたことが立ちいかなくなったとしても、それをやり続けろというわけではなく、状況に応じた動きをする場合には、その方向性をしっかりとした理論の元で再構築し、組み立てることが重要になる。そして、議会での納得を得た上で、新たな方向に舵を切るのだ。
このことこそがリーダーシップであり、経営者として必要なことであることに間違いはない。

社長になりたい。そう漠然と考えて何をすればいいかわからない人は、以上の5点を考え、自分自身の特性を見極めて欲しい。

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全てのことに対してプロフェッショナルで、すべてのことに対して気が回るパーフェクトな社長など存在はしない。だからこそ、一番重要なのは意志の強さである。少しぐらい間が抜けていようが、威厳に欠けようが、その意志の強さが会社を支える太い骨子になっていく。

最後に言えることは、社長たる者「失敗を恐れてはいけない」ということである。失敗はしないに越したことはない、しかし、失敗を恐れて動かないというのが一番会社にとってはマイナスな動きになる。流れる世の中を見据え、自分のやりたい事業をやりたいようにするためには、どうすればいいか。それが見えてきたら、まず実行に移すことが社長になるための第一歩なのではないだろうか。

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