働き方

ミスマッチを防ごう!面接官が採用時に気を付けるべき5つのポイント

会社が発展していくためには、良い人材の発掘、確保が欠かせない。しかし時間と労力をかけて採用した人材が、短期間で退職に至ってしまうというのは残念なことによくあるケースだ。そこには雇用する側と働く側の意識のズレによって生じる雇用のミスマッチが関係している。これに頭を悩ませている会社も多いのではないだろうか。そこで今回は、こんなはずではなかった、というミスマッチを防ぐために、面接採用時に気を付けるべき5つのポイントを考えていくことにする。

面接の前にイメージを固めよう1.雇用したい人材、コスト、効果を考える

まず、具体的にどの業務に対する労働力が不足しているのかを明らかにする。どのような業務を担うどんなタイプの人材が欲しいのかという点を明確にするのだ。次に、雇用コストについての検討を行う。簡単にいえば、いくらで雇いたいかということを決めるのである。場合によっては、市場での平均賃金のリサーチなどを行う必要も出てくるかもしれない。ここで注意すべきは、ひとりの社員を雇用した際にかかる費用は給与、賞与だけではないということだ。社会保険料や労働保険料といった法定福利費、交通費や手当といった支払い賃金以外のコストを念頭に置いておくことを忘れてはならない。さらに、その人材を雇用することによって見込める利益、収益について予測を立てる。
採用にかかる費用も含め、これらトータルでのバランスを考慮し、どれだけの費用を投じてそのポジションの人材を雇うのかを決めることが大切だ。

2.自社で活躍している社員のパターンを把握する

会社が応募者に対して最も期待することは何か。それは「入社後に活躍してくれること」である。それを見極めるために有効となるのが、自社ですでに力を発揮している社員はどのようなタイプであるかを把握することである。貢献し、戦力となっている社員にはどんな行動特性があるのかを分析してみると、どんな要素を持っている人物であれば今後の活躍が期待できそうか、ということが見えてくる。その傾向を知ることにより、応募者の中からよりそのパターンに近い人物を選出することが可能になる。

会社の雰囲気などになじめるかどうかもポイントの一つ3.目的に合った面接の場を作り上げる

面接を受ける側は、多かれ少なかれ必ず胸の内に不安を抱えているものだ。面接官はそれを理解した上で、決められた方針に沿った面接を行っていかなければならない。
世の中にはストレス耐性をはかるなどの目的で、わざと厳しい態度や難解な質問を投げかける圧迫面接という方法を取る企業も存在する。これは採用したい人材に悪い印象を抱かせ、逃げられかねないといったリスクを伴う手法だ。しかし、志望者のどんな面を引き出すことが目的なのか、どんな効果を狙っているのかを熟慮して行うのであれば、優れた人材を獲得するのに有効なひとつの手段でもある。逆に和やかな雰囲気の中で面接を行う場合にも、相手の緊張をほぐすことの意図やメリットをはっきりとさせた上で進めていくべきである。
対話をすることによって、外見だけでは判断することのできない部分を見ることが面接の第一の目的である。何を判断したいのかを踏まえて、面接官は場の空気を作り上げなければならない。

4.事前に説明すべきことを正確に伝えておく

面接時、待遇などはもちろんのこと、業務内容や会社の方針を詳しく説明することはとても重要である。どのような職場で何の仕事に従事してもらうことになるのか、会社として社員にどんな働きを期待しているのかを伝えることは、志望者が持っているイメージをよりクリアにする効果がある。そうすることにより、志望者は本当にこの会社で自分の望むような働き方ができるのか、改めて確認することができる。
採用したあとにミスマッチが生じる事態を防ぐには、詳細かつ的確な情報の提供が必須である。会社側が事前に責任を持って開示しておくべき事項を、あらかじめチェックしておくことをおすすめする。

最終的に重要なのは戦力になれるかどうか5.会社との相性を判断する

会社との相性が良いかどうかは切実な問題だ。素質、能力、スキルが備わっていても、会社の雰囲気に合っていなければ、採用後に本人が才能を発揮し成長していくことは難しくなるだろう。チームで仕事をするのであれば、すでにいるメンバーとのバランスも不可欠になってくる。会社になじめるかどうか、他の社員との円滑なコミュニケーションが図れるかどうかは、社内の士気を高められるかどうかにも関わってくる。定められた時間のやり取りの中で、応募者の個性や人間性を見極め、会社との相性の良し悪しを判断することが必要である。

以上、5つのポイントを挙げてきた。いかにして人材の採用を行うかという課題は、企業がどう成長していきたいかというビジョンとともにあるといってもいい。会社が本当に求めている、自社に利益をもたらしてくれる優秀な人材は、ミスマッチの上には決して存在しない。しかし採用前に会社と志望者が互いに向き合える場は、面接という限られた時間だけである。その時間を有効に活用し、ミスマッチのリスクを最大限に抑え実り多き採用を行うには、入念な確認作業と準備を怠ってはならない。

以下記事では、仕事のミスマッチを防ぐための施策として面接を3時間のオーディションと称し、履歴書は一切見ない採用活動をしている企業を紹介している。ぜひ一例としてご覧いただきたい。

人と会社をしっかりと結びつける為の採用を実施する会社

採用について問題を抱えている会社は、今一度自社が人を必要とする理由、どんな人物を求めているのかを再確認してみたらどうだろうか。明確な目的意識を持って行う採用活動の向こう側にしか、会社の求める人材はいないのである。

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