働き方

働き盛りの3割以上が“仕事うつ”

投稿日:2013年8月20日 / by

仕事うつ調査30~40代のサラリーマンの3割以上が“仕事うつ”を自覚していることが分かった。生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)が、30~40代の男性会社員300名を対象に、「仕事」に関する意識・実態調査を実施し、分かった。

アベノミクス効果が叫ばれながら、実感としてはまだまだ先行き不透明感が色濃い日本経済。今回のアンケートからもそうした実態が浮き彫りになっている。

「普段仕事が忙しいと感じているか?」の質問に対しては73%が「そう感じる」と回答。一方で仕事の満足度については「満足している」と答えたのは、56%にとどまった。さらに仕事が楽しくないと感じる人は68%、「会社に行きたくないと思うことがある」と回答した人も55%と5割を超え、働き盛りのサラリーマンの多くが仕事に対し、マイナスの気持ちを抱えていることが分かった。

その深刻さを象徴するのが「自分が“仕事うつ”だと感じることはあるか?」の質問に対する36%の「ある」という回答だ。多くの会社員がマイナスの気持ちを抱えていることはアンケートからもうかがえるが、“仕事うつ”を自覚しているとなると非常事態ともいえる。自覚している時点で、まだ救いはあるといえるかもしれないが、日本の中枢を担う働き盛りの世代がこれでは、日本の明るい未来を想像しようにも、逆に暗い影が垂れ込める…。

精神科医の名越康文氏はこうした状況について「30~40代は、仕事における責任も大きくなり、『働き盛り』と言われる世代。しかし一方で、目標を見失ったり、行き詰まりを感じやすくなるタイミングでもあります。仕事をバリバリやればやるほどむなしくなり、『こんなに働いて何の意味があるのだろう』、『自分はこの先どうなりたいのだろう』と、“アイデンティティ障害”の状態になってしまうのです」と解説する。

その上で対策として「気分が落ち込んでいる時は、気持ちに余裕がなくなっていることが多いと言えます。そのため、仕事から一時的に離れて、気分を切り替えることが非常に重要になってきます。思い切って長期休暇などをとれれば良いですが、忙しいサラリーマンの方は、思うように休みをとることも難しいでしょう。ですので、そのぶん毎日の仕事中にこまめな休憩をとって、気持ちをリフレッシュさせることが大切です」とアドバイスする。

実際、アンケートでも仕事うつがあると回答したグループでは38%にとどまった「十分休憩が取れているか」の質問に対し、仕事うつを感じないと回答したグループでは倍近い68%が「とれている」と答えている。とはいえ、アンケートでは「日本人は休憩下手たと思うか」に対し、7割が「そう思う」とも回答しており、ある意味では“仕事うつ”は国民病的なものといえる。それを克服して初めて、日本の未来に光明が差し込む日が来るのかもしれない…。

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