働き方

年功制廃止で困る人・活きる人

投稿日:2014年10月23日 / by

お毒 なんだか最近、景気の悪さを実感するのよね。物価が高い、給料が上がらない、客は来ない。天候同様に急に冷え込んできた感じなのよね。

猫田先生 気のせいではネェだろうな。いまの日本にはいい材料がほぼねぇもんな。10月からは一部の大きな企業で年功制が廃止されたし、もはや先のことをのんびりとは考えづらい世の中になってきたな。

毒舌家

お毒 年功制の廃止は当然よね。企業だってもはや長期的に安定でいられるか分からないんだから。いまの時代、長くいるだけで給料が上がるなんてナンセンスよ。ウチなんて最初から全力の自転車操業、漕がゃなきゃ止まるの実力主義よ。

物知り

猫田先生 廃止の理由はそれ以上にグローバル対応って側面が強いんじゃねぇかな。これから人口が減っていく中で優秀な人材を確保するには、当然外国人だって積極的に採用することになる。その時、「あの人は30年働いてるからあなたより給与がいいんです」、なんて理屈は外国人には通らないからな。だから今のうちから日本固有の賃金体系を見直そうってことだな。実際、そうした賃金体制のせいで、日本は優秀な人材を逃し、世界に後れを取っちまったことは否定できネェからな。

お毒 忠誠心のもと、地道にひとつの会社で長く働き続ける意味がなくなっちゃうわけね。心配なのは、それしか取り柄がなかった人よね…。

猫田先生 ネガティブに考えればそうだよな。ただ、会社にぶら下がらず、自立心をもってやってきた人、やってなかったけどやろうと考えている人にとっちゃ、いいきっかけになるんじゃねぇか。企業にしても、成果主義にする以上、キチンとした評価システムを構築するだろうし、結果をだした人間にはそれなりの待遇も用意するはずだからな。いずれにせよこれからは、「どんな人間か」、ということ以上に「何かができるか」がより重要になってくるってことだな。

お毒 なんだか、働き方が180度変わる感じね。でも、自立心持ってる会社員なんて3割もいないんじゃないの。正直、ホントにいい方向へ行っているのかはよく分からないんだけど…。

猫田先生 日本全体のことを考えればいい方向に向かっているのは間違いない。ただし、これまでに“日本流”がどっぷりと染みついちまってるから、変わるまでのプロセスは大変だろうな。だから、ドラスティックに変わるというよりは、段階を踏みながら、日本流のいいところも取り入れる形で進めていかないと、日本もとんでもない格差社会になっちまうだろうな。

おっちょこちょい

お毒 なんだかお先真っ暗って感じなんだけど…。いま50歳くらいの人が急に年功制廃止だから成果をしっかり出すようになんていわれて、突如張り切れるわけないじゃない。逆に若い子にとっちゃいいんだろうけど。

猫田先生 これまでは若者離職率が高かったが、これからは「壮年離職率」が高まったりしてな。

お毒 壮年離職率程度ならまだいいけど、自殺率が高まったりしないかしら。心配だわ。

猫田先生 住宅ローンがたっぷり残ってたりしたら大変かもな。ただし、だ。こんな日が来ることは随分前から分かってたわけだから、何にもしてこなかったとしたら、自業自得という面はあるぜ。

伝衛門 何とかなるもんでやんすよっ。捨てる神あれば、拾う小銭あり、でやんす。

お毒 こんな時代ほど、アンタみたいな人間は生命力発揮するのよね。逞しいというより賎しいだけなんだけどね。

猫田先生 そもそも年功制ってのは、社畜の温床でもあったと思うんだな。「黙っていうことを聞いていれば、定年まで面倒見てもらえる」。そんな生温いマインドを醸成しちまったんだよ。もうそんな時代じゃない。残念ながら、そういう事実を受け入れるときがついにきちまったってことだな。逆にいえば、会社に縛られず、スキルを武器に自由に会社を渡り歩ける労働力流動化時代が来たと思えば、一気に視界が広がるんじゃねぇか。

 

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について