働き方

主婦を戦力として最大化する3つのポイント

投稿日:2015年1月27日 / by 瓦版編集部

コグニティではなぜ主婦が活躍するのか

都内で行われたある実験風景

都内で行われたある実験風景

全従業員が完全在宅勤務のコグニティ(株)。全員となると東京都では初のこのユニークなワークスタイルの同社では、子育て中の主婦が“主力”として、活躍している。「職場が家だから、子育てに都合がいい」。それも大きな理由だが、どうもそれだけはなさそうだ。

会議の効率化や思考を支援するソフト「ディスカス・ヒア・オフィス(DHO)」を提供する同社。従業員全員が完全在宅だが、年に数回は、顔を会わせる機会がある。先日、都内の施設で行われたのは、「分科会」と呼ばれる勉強会で、主婦の従業員が一堂に集結した。

内容は、DHOを子供に使わせたらどうなるのか、という“実験”だ。DHOは大人用のサービスだが、タブレット端末を使用するので、感覚的に楽しめる。そのため、子どもでも動かすことは可能だ。その結果、一体どんな“化学反応”が起こるのか…。主婦スタッフが、自分の子どもを実験台に、その結果を見届けた。

遊んでいるわけでなく、実は子供用玩具開発の実験です

遊んでいるわけでなく、実は子供用玩具開発の実験です

実験の真の狙いは、子供用の教育ツール開発にある。デジタルネイティブのこども向けにDHOを応用し、何か生みだせないか――。そうしたアイディアを前進させるために、実際に子供に使ってもらうことにしたのだ。

「実は私は教育分野への参入はいまのところ考えていません。過去にコレだというタイミングで携わり、難しいことも十分に知っていますから。ただ、主婦スタッフの方から口々にDHOを教育に活用できないものか、という声があがるんです。それなら、としっかりとオペレーション等を考えてもらい、まずは実験の場を用意してみました」と河野理愛社長は同会実施の経緯を説明する。

どんな立場でも意見が言える風土

通常の会社なら、パート・アルバイトの意見を聞き入れることもなければ、そもそも意見が出ることさえも珍しい。ところが、同社の従業員は、積極的に声を上げ、そのためのアクションを惜しみなく行う。基本顔を合わさない完全在宅だけに、対応は事務的になりそうだが、むしろその逆といえる結果となっている。その要因は、河野社長の起業への思いと無関係ではないだろう。

経済が右肩下がりになる中で、あえて「本当は働けるのに事情があって働けない人もたくさんいる。そういう人の障害を取り除いて、その潜在力をうまく引き出せる仕組みを作りたい」と考え、同社を立ち上げた河野社長。それはまさに、実力もやる気もあるのにやむなく離職している子育てママのニーズとズバリ、マッチする。

「設立当初は、優秀な男性を正社員として雇うことなどに力を入れていましたが、このワークスタイルで会社運営していく中で、結果的に一番活躍してくれるのが、ママさんなんです。常にマルチタスク状態だからやりくり上手な面があるのでしょうか。加えて、みなさん本当にスキルが高い。こんなに優秀な主婦の方々が埋もれてるなんて、とてももったいないと改めて思っています。今後も働きたいのに働けないママさんをどんどん雇いたいと思っています」と河野社長は、やむなく仕事を離れた子育て主婦に門戸を全開にする。

主婦がどうしたら働きやすくなるかを帰納的に考える

ベビーシッターを雇った“臨時保育所”が主婦の活動をサポート

ベビーシッターを雇った“臨時保育所”が主婦の活動をサポート

この日の実験には、多くの主婦スタッフが集まった。それは、同社がベビーシッターを雇い、施設内の一室を“臨時保育施設”として確保していたからだ。主婦に限らず、社会にはほんの些細な理由で、働きづらくなり、優れたスキルを渋々しまいこんでいる人たちがあふれている。そうした障害を取り除くことで職場復帰できるなら、当人にとってはもちろん、企業にとってもメリットが大きく、ウィンウィンの関係が構築される。信頼による強いきずなが生まれることで、結果的に忠誠心も高まる。

同社にはパート扱いながら役職を得て活躍する女性スタッフもいる。会社側が正社員にしない方針ではなく、あくまで本人の意向を尊重した結果だ。「正社員になりたければ、もちろんなっていただけます。在宅勤務に変わりはありませんし、処遇についてはあくまで本人次第です。私としてはとにかく、どんな形でもまずは、弊社の働き方と仕事に興味があれば、ドアをノックして欲しいですね。働く上で障害があるなら、それも一緒に持ってきてください。できる限り取り除けるよう対処いたします」。

女性の活躍が叫ばれ、その活用機運が高まる中、形式だけは立派なところも多い。その点では、同社は、あえて枠組みを柔軟に構え、あくまでも主婦の立場に立って、どうしたら働き続けられるのかを模索する帰納的発想。簡単ではない女性の活用だが、同社のように明確な理念主婦の都合を優先にした柔軟なワークスタイルの導入、そしてやりがいを感じられる事業への参加意識の促進。この3つは、主婦を主力級に活用する上で大きなキーとなりそうだ。

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