働き方

妻査定の夫の家事=時給804円

投稿日:2014年7月14日 / by
「共働き家族研究所」調べ

「共働き家族研究所」調べ

約7割の夫が「家事ハラ」経験あり

妻が査定する「夫の家事」は時給=804円。旭化成ホームズ「共働き家族研究所」が30代~40代・子育て中の共働き夫婦を対象とした「妻の家事ハラ」実態調査の結果を発表し、分かった。

女性の社会進出という風潮が高まる中、少しでも世帯収入を増やす必要性から共働き世帯が増加している。総務省発表のデータでは既に1,000万世帯を超えており、特に若い世帯を中心にさらに拡大の様相を呈している。

こうした流れの中、夫の家事参加率も高まりを見せている。しかし、その一方で、家事に不慣れな夫が行う家事に対し、妻が不用意にダメ出しをするシーンが多発。せっかくの夫の家事協力を妨げてしまっているという逆転現象も発生している。

「共働き家族研究所」は今回、この夫の家事協力に対する妻のダメ出し行為を、「妻の家事ハラ」と定義し、当事者へのアンケート調査によりその実態に迫った。その結果は、家事参加経験のある男性にとっては、興味深いものとなっている。

まず、子育て中の共働き夫婦における、夫の家事参加率は93.4%だった。子育て中とはいえ、かなり高い数字といえる。では「家事ハラ」経験のある夫はいうと、65.9%が“被害”を受けている。せっかくの家事アシストも、あまり効果的ではない印象の残る残念な結果といえる。とはいえ、「家事ハラ」経験夫婦でも82.2%は「仲が良い」と回答しており、夫婦の絆にまでは亀裂は入っていないようだ。

「共働き家族研究所」調べ

「共働き家族研究所」調べ

ではどんな時に「家事ハラ」が発生しているのか。「食器洗い」、「洗濯物を干す」が“多発家事”であり、汚れの落とし方や乾き方に影響があることから、2度手間になることなどがその要因といえそうだ。実際、夫が受けた指摘内容は「やり方が違う!」が42.6%、妻側からの指摘は「やり方が雑!」(40.1%)だった。

家事ハラでモチベーションダウンは約9割

こうした「家事ハラ」に対し、夫のモチベーションはどうなるのか。夫がやる気をなくする率は、89.6%。当然ともいえる結果だが、家事ハラ被害経験者が約7割という実態と合せると、これでは家事の分担など、なかなか広がりそうもない。ちなみに、夫の家事参加意欲向上のために、妻が心掛けていることの1位は「ありがとう」と言う(70.2%)こと、だそうだ。

また、家事についての査定は、夫の査定平均は、1,008円。妻の平均査定は、804円。「家事ハラ」が発生する状況を考えると妥当な結果がいえるだろう。

これらの結果を受け、旭化成ホームズ「共働き家族研究所」所長・入澤敦子氏は次のように分析する。

「『妻の(私の!?)つい口にした一言に、夫はいたく凹むのだ』というのが正直な感想だった。しかし、結果を読み解く内に納得した。家事ハラ発生率の高い『食器洗い』、『洗濯物干し』は、家事デビューの夫にとって、妻のやり方(流儀)が数多く潜み、しかも見えづらい。“雑さ”が歴然と妻の目にふれる象徴的な家事だと言える。妻の家事ハラは、情報の共有の大切さを感じさせる。それは、住宅計画でも支援すべき課題である。そこに夫婦相互で意識的に「ありがとう」の感謝で歩み寄ることで、家事ハラが家事シェア(協働)に変わっていけば幸せと思えた結果だった」。

 

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