勤勉な派遣に待ち受けるものとは
派遣社員の8割以上がスキルアップのための勉強経験あり。ディップ(株)(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼CEO:冨田英揮)が行った、人材派遣の求人情報サイト「はたらこねっと」(http://www.hatarako.net/ )でのアンケート調査で分かった。
「これまで仕事のスキルアップをするために何かした事はあるか」の問いには、83%が「ある」と回答。派遣社員の仕事に対する意識の高さがうかがえる。スキルアップしたい理由としては「仕事の幅を広げるため」(29%)がトップで、続いて「希望の仕事に就くため」(17%)、「時給・収入をアップさせるため」(16%)となっている。
スキルアップをして変わったことについては「仕事の幅が広がった」(27%)という回答が最多。続いて、「資格を取得できた」(20%)、「仕事の効率が上がった」(17%)となり、スキルアップの勉強により、恩恵を受けていることが分かる。
ではどの方法が一番効果的だったのか。「スキルアップのためにどんなことをしましたか」の問いには「独学でできることを増やした」(30%)という回答が最多となったが、一方で、最も有効的だった方法としては「スクールや専門学校などの講座を受けたこと」(24%)が挙げられた。やはりスキルアップには、独学よりも、講座を受講する方が効率的のようだ。
また、派遣会社のスキルアップ講座に参加したことはありますか?との問いに「ある」と回答したのは35%。なかでも、OA(Word・Excel・Access・PowerPointなど)のスキルアップ講座の受講率が53%と一番高く、やはりビジネススキルの基本は人気があることが分かる。さらに、派遣会社のスキルアップ講座にあったら嬉しいものは?との問いには「転職で有利になるスキル・資格がとれる講座」という回答が24%で最多となった。
こうした結果を受け、同社では「2015年4月からの適用を目指す『労働派遣法改正案』では、派遣会社に『スキルアップ支援制度』を設ける事を求めております。『はたらこねっと』では、本調査の結果を派遣会社へ伝えることで、支援制度の充実を図り、派遣社員のスキルアップを応援してまいります」としている。
派遣を含む非正規雇用の労働者のうち、正社員になりたい者の割合は、年々増加しており、平成22年の厚労省の調査では22.3%となっている。法改正によって、派遣社員増加につながるとの見方も強く、対策として業界ごとの検定を設けるプランも浮上している。今後の労働市場では、ますます個々のスキルの高さが重要性を増すことになり、この結果はそうした流れへの傾向を暗示しているともいえそうだ。