働き方

飛騨里山の古民家をあなたのオフィスに

投稿日:2014年7月4日 / by

「SATOYAMA OFFICE」

里山に行こう

岐阜県飛騨市、草木が青々と生い茂る、風光明媚な山間地にそれはある。2009年より飛騨地域内の民家の実態調査を開始し、2012年、(株)柳組と(株)美ら地球の共同プロジェクトとしてはじまった「SATOYAMA OFFICE」。高齢化と人口減少で維持困難となった里山の古民家を、リモートオフィスとして蘇らせようという企画だ。

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里山といったら何を連想するだろうか?「段々畑」、「四季の移ろい」、「満天の星空」、「人肌の温もり」、「ノスタルジー」……。里山とは自然と人間が共生する場所であり、そこには土着の人々が古来より受け継いできた、豊かな暮らしとその知恵がある。都会の荒波に揉まれ、擦りっ切れたあなたの心をリフレッシュさせ、アタマの中をリセットして働き方にイノベーションを起こす。

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空調のきいたオフィスよりも、自然の息吹を肌で感じてみる。「古くて新しい」その魅力を紹介する。

豊かさの再定義

田舎といったら何もない、というイメージの人もいるだろう。モノがあふれる情報化社会においては、里山も他に違わずその恩恵を受けている。まず古民家というのは、ネズミが天井裏を這い回るようなジメジメした空き家を貸し付けているわけではない。ネット環境はもちろんのこと、プリンタやプロジェクタといった基本機器は完備しており、オフィスの名に紛いはない。

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田舎にあって都会にないものは意外とある。たとえば人間同士の「つながり」。あなたはあなたの隣に座っている人の趣味を知っているだろうか?ソーシャルの発展で個人が「つながり」を強く求めているのは目に見えて分かる。しかしスクリーンとにらめっこするすることが、本当のコミュニケーションと言えるか?利便性だけのデジタルでは味わえない、アナログのみに与えられた「不便」のチカラ。「つながり」を創造するという意味では、里山ほど適した場所はないのだ。

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里山にはコンビニも少なく、交通の便も必ずしも良いとは言えない。しかし、それは不自由ではない。人が暮らしていくために必要なものは何でも揃っている。一見不自由に見えるそれは、本質的には自由であり、真に富んでいることである。核の部分は変えず、その外側のみを変える。それが「SATOYAMA OFFICE」だ。

開放的で充実した設備

飛騨はその昔から名工輩出の地として知られ、家の節々にかつての意匠が残っている。古くから集会場などとして人と人との「つながり」の場所を提供してきた古民家は、建具を開け放つことで風を取り入れ、飛騨は高地に位置することもあって真夏でもクーラーはいらない。空間を仕切る能力に長けた家屋は、オフィス同様の使用感を再現できる。

備品はオフィス用品でホワイトボード(大・小)、大型スクリーン、プロジェクタ、複合型プリンタをどの施設でも常備。生活備品は洗濯機、冷蔵庫、食器類、簡単な調味料まで。中には前の利用者から「シェア」したものもあり、誰でも自由に利用できる。また食事処の案内やレンタカーの貸し出し、食材・リネン類の配達なども町の商店などと協力しあって、提供している。利用方法による料金の違い、利用人数による料金の違いもない。

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古民家・源七(げんしち)

“築150年の伝統木構造による農家型形式の住まいであり、養蚕や農作業も兼ねた大きな空間を持つ古民家。”
“近年に地元の老舗旅館が別館として改造されました。”

“古民家特有な太い柱や大きな梁などの横架材が永年の生活によって育まれた黒く美しい光を放なっている。”
“床や木建具は拭色(ふきいろ)を保ち、囲炉裏と共にノスタルジーを感じさせてくれます。”

周辺環境
“海抜1,000mの高原にあり涼しいです。”
“国道41号沿いの地域で夜間も大型車が通りますが、本物件は本道から離れているため車の騒音はさほど気になりません。”
“近くに個人商店等はありますが、市街地から離れているため、食料品・生活必需品等の買い出しの際には車があると便利です。”

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数寄屋・末広の家
“伝統的な町家が並ぶ飛騨古川の古い街並に調和しつつも、ひときわ存在感を発揮する数寄屋づくりの家屋。”
“築40年程の木造の住まいは、古民家と言うにはやや若いかも知れません。”
“しかし、飛騨の職人とこだわり抜いてつくられた建物は、見応えは十分。”

“古川の町並みに連なる出格子造りの建物と異なり、外観は大小の乱積による石の上に、栗のなぐり材を使った細工の細やかな塀で囲まれています。銅板葺の屋根の住まいがのぞくアプローチに敷かれ石の表情はまさにアート。正面の格子戸から、わずかに見える中庭。その中庭の気配も心地よいです。”

周辺環境
“飛騨古川の古い街並の中心とも言える壱之町通りに「壱之町の家」と同じく面しており、瀬戸川や白壁、まつり広場へ、気ままに歩いて行ける立地です。飛騨古川駅からも約700メートルと交通にも便利。スーパーも徒歩7分ほどの距離にあり、車がなくても飛騨を堪能できます。”

そのほか、年季の入った木造家屋が立ち並ぶ街道に面した「町屋・壱之町の家」、
世界遺産白川郷に位置する「白川郷 オフィス谷口」の2つの施設がある。

主な利用方法

オフィスに
リゾートオフィスという活用法がある。ネット環境のある場所であれば、どこでも仕事ができるような人におすすめ。緑に囲まれ、鳥のさえずりを聞きながらPCに向かうのは新鮮なもの。日常の仕事場では出ないようなアイデアをひらめくかもしれない。

ミーティングに
自然の中で会議をしてみるのもいい。ラフな格好で囲炉裏をかこみながら、というのは新しい。普段と違う視点を持つことで、親交を深める目的としても利用できる。議題の方向性も思考もオープンになるはずだ。

ワークショップに
研修として使っている企業もある。社員同士で共同生活を送り、リーダーシップやチームビルディングの向上を図る。行きのバスでブレストが盛り上がり、現地に着いてすぐ仕事へシフトできたという例もある。「遠足気分」もたまには悪くないということだ。

「消えゆく風景」といわれるように、日本からは山里が消滅しつつあり、こういった観点で「SATOYAMA OFFICE」はとても重要な意味を担っている。故きを温ねて新しきを知るというスタンスは、何においても当てはまることだろう。それはビジネスにおいても違いはない。飛騨という土地で、都会の喧騒から抜け出し、自分らしい働き方について見つめなおす機会を設けてみてはどうだろうか。

リンク

SATOYAMA OFFICE」 公式サイト

仕事と旅の同時体験、飛騨の滞在型リモートオフィス – 飛騨里山オフィス

SATOYAMA EXPERIENCE」 飛騨観光を目的とした関連事業

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