働く女性を応援する企業のハンパじゃない徹底ぶり

働く女性を応援するDNAが宿る会社

働く女性への想いを明かす田邉社長

（株）千趣会といえば、カタログ通販の会社。それくらい、その分野では名が知られている。顧客の大半が女性とあって、手広い関連事業を手掛けるが、ほとんどが女性をターゲットにしたもの。戦略、といえばそれまでだが、その徹底ぶりは、ハンパじゃない。

まず企業ビジョン。ズバリ、「ウーマンスマイルカンパニー」。女性を笑顔にする会社といったところだろう。ビジョンからも同社の女性への愛情はヒシヒシと漂うが、そのために取り組んでいる事業は、多岐に渡る。

「主婦のおしごと支援サービス」では、主婦の仕事探しをサポートする「おしごとメゾン」を運営している。働く女性が活躍するために、気軽に立ち寄れる場所が必要と考えれば、ファストカジュアルのブリトー専門店「ウムウムグッドブリトーズ！」をオープン。さらに、待機児童の問題が深刻化しているとみるや保育園まで開園。働く女性のためのインフラ整備にまで乗り出す徹底ぶりなのだ。

「私どもは働く女性を応援する事業をいろいろと展開しております。保育園については、我々がやらなきゃ誰がやるのか、という意気込みで取り組んでおります。その他、働く女性が活躍できる場所として飲食店をオープンし、健康をキープして頂くための新ブランドも立ち上げました」と同社経営企画本部広報部加藤千春氏は力説する。

女性のためなら事業領域にもとらわれない。ビジネスとして考えても、必ずしも効果的とは判別できない事業にでも乗り出す姿勢には、強い信念すら宿る。それほどまでに女性を応援するスタンスは、実は同社のルーツにある。

なぜそこまで女性の応援にこだわるのか

「弊社創業当初は、部屋に飾るこけしが大ヒットしたんです。ビジネスガールといわれる女性がたくさん買ってくれたんです。以降、いろいろな展開をしたんですが、次々と当りました。それもこれも女性客が支えてくれたから。だから弊社にはそもそも働く女性を応援するDNAがあるんです」と同社田邉道夫社長は明かす。

つぎつぎ繰り出される女性応援グッズ

千趣会という企業名も実は「こけし千態趣味蒐集の会」を省略したものだ。さらに、もう一つの意味として、将来の展開を考え、〈千の趣の会〉という意味も込められていたというから、その先見の明に恐れ入る。同時に、現在の多角化にも納得がいく。2014年11月5日には都内で千趣会　働く女性を笑顔にするアイデア『1000　IDEAS　FOR　WOMAN』イベントを開催。女性を応援する新製品をお披露目した。

政府が女性が活躍する社会の実現を後押し、働く女性にフォローウィンドウが吹き付けている。そうした中、しっかりとムードが文化へとまで浸透にするには、同社のような企業が少しでも増えていくことが重要になりそうだ。