働き方

企業が「シェア」を活用する狙いとは

投稿日:2014年5月7日 / by 瓦版編集部
アイティメディア

プレゼンバトルでは自社および他社の幹部&新入社員の前に“アウェイ状態”でプレゼンを実施

さまざまな企業の「シェア」

昨今は、企業間において「シェア」が、キーワードとなっている。コスト削減を目的としたベーシックなものから、会社同士でリソースをシェアすることで利益を最大化するものへと、その活用の仕方が進化しているのが特長的だ。

職場交換留学制度を導入する企業は、「職場」をシェアすることで、新たな刺激と知識の吸収を図る。シェア型の企業寮「月島荘」では、各社員が「ライフ」をシェアすることで、日常では生まれにくい他社とのコミュニティを創出し、その“化学反応”に期待する。グローバル化の進展で、多様性が求められる中、「シェア」は、異分子と交わる場づくりとして、活用の幅が広がっている。

研修をシェアする狙い

「シェア」をより戦略的に活用する動きもある。IT/WEB業界9社による、新入社員の研修の「シェア」だ。先ごろ行われた今年で4度目の「シェア研修」には、アイティメディア、イード、オールアバウト、ガイアックス、シー・コネクト、トレンドマイクロ、マイネット、モバイルファクトリー、リッチメディアから73人の新入社員が集った。

「コスト面はもちろんですが、新たな時代のリーダーを育成する上で、『企業の壁を越えてネットワークを形成する力』、『背景の異なるメンバーをまとめるリーダーシップとチーム構築力』、『競争と協調を通じビジネス視野を幅広く持つ力』が必要と考えます。新人の段階で、目的を同じにした複数の企業が集まる場に参加することで、より育成効果が高まると考えています」とシェア研修を取りまとめるアイティメディア(株)人事部長の浦野平也氏は、開催の理由を説明する。

シェア研修の一環として行われた「プレゼンバトル」は、新入社員がチームを結成し、自社サービスを他社新人と他社幹部を前にプレゼンするプログラム。記者に扮した幹部から厳しい質問を浴び、悪戦苦闘する場面も多かったが、中にはまるでベテラン社員のように、堂々とした口調でプレゼンするチームもあり、各社の新入社員は、通常の研修では得られない体験に大きな刺激を受けていた。

研修をシェアするメリット

シェア研修により、すぐにビジネスに発展することはないが、新人の段階で他社の「同期」と同じ空間と体験を共有することは、参加者の今後の社会人人生に大きな財産となる。アイティメディア浦野氏は「延長線上には実際のサービスローンチも視野に入れたい」と今後の見通しを明かす。そのための規模拡大や新人に限定しない若手育成も視野に入れ、世代をまたいだより実用的な成長環境創出の場としてのブラッシュアップも検討する。

人材は人財――。企業において不変の言葉だが、もはやその育成は自社による純粋培養の時代ではなくなりつつある。IT技術やグローバル化の進展により、プロジェクトやビジネスが、企業や国籍の壁を超えた多様な人材によって進められる方向へとシフトしているからだ。新人の段階から、他社との交わりを持ちながら、共同で育成を行う。新しい時代の人材育成を見据えても、研修をシェアするという試みには大きな可能性が秘められているといえそうだ。

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