働き方

超一流が超一流であるシンプルな理由

投稿日:2016年9月23日 / by

一流と超一流の違いとは

二流のビジネスパーソンは、無駄な努力に時間を費やす。一流のビジネスパーソンは、無駄なく時間を費やす。超一流は、無駄に思えるすごい努力に時間を費やす--。

レベル別にビジネスパーソンをザックリ線引きするとこんな感じだ。どうだろう。二流と一流の差はなんとなく分かるかもしれない。では一流と超一流の差はどこにあるのか…。実はこの差は、二流と一流とは比べ物にならないほど大きなものだ。

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無駄な努力とは、目的がなく、いわれたことをやるだけの行為。無目的で受け身の努力は、努力とはいえない。単なる作業だ。疲労感こそ発生するが、体に染み込むものは何もない。こうした無駄な努力を見極め、必要なことを効率的にこなせば、人は一定のレベルに到達する。それが一流のラインだ。無駄なことはせず、有効なことに注力するのだから、ビジネスパーソンとして、高水準でいられる。だが、それでもせいぜい上位10%。10人に1人レベルだ。

では超一流は何をしているのか。無駄な努力はもちろんしない。効率も最大限に考えている。だが、普通では不可能なことに果敢にチャレンジする。「無謀」ということでは決してない。一流のビジネスパーソンが1億の商談を目指すなら、超一流は10億を目指す。可能か不可能は関係ない。目指すことで、実現するための基礎を鍛え上げる。それが「すごい努力」の意味だ。

人間の能力は有限だ。だが、上限を決めた時点でそこが限界点になる。超一流は、それが分かっているから、あえて上限を予想の上に設定する。不思議なもので、設定した以上、やることが前提となるため、そのための戦略を逆算して構築していく。未達となっても、その原因から、出来る理由が見い出される。それが分かっているから、超一流にとって未達は失敗ではない。むしろ、達成につながる、重大な通過点なのだ。

超一流に共通する準備の質

こうした人材は上位0.1%。1000人に1人もしくはそれ以上のスーパーマンだ。とはいえ、多くは天才型でなく努力型。誰にでも可能性はある。すごい努力を積み重ね、見上げるように高いピラミッドを上りつめている。

日本人初のISSコマンダーを務めた宇宙飛行士の若田光一氏は、著書「一瞬で判断する力」(日本実業出版社)で、重力も空気もない、一瞬の判断ミスが死につながる宇宙空間で任務を遂行する極意をこう明かしている。「ネガティブなリスクを予測して受け入れ、万が一の事態への危機管理をキチンと講じておく。それによって本来の目的に、より集中できる」。力を最大限に発揮するために、常に細心の注意を払い、リスクにアンテナを張りながら、万一の事態への対応策をしっかりキープしておく。一流レベルでは、無駄と判定しがちなところにあえて、全力で目配せすることで、研ぎ澄まされた判断力を発揮するということだろう。

リオ五輪の卓球シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼氏は、著書「負ける人は無駄な努力をする」(卓球王国)の中で、すさまじい努力を余すことなく公開している。打ちやすいラリーの応酬は無駄。予想もできないボールの打ち合いをしないと上達はないと明かしている。なぁなぁの人間関係も無意味、とバッサリだ。つまり、本番を楽に感じさせることから逆算したトレーニングでなければ、どんなにハードでも全ては無駄というワケだ。若田氏の考え同様、まさに超一流の理論そのものだ。

超一流に必要な2つのこと

多くの人が一流で満足するのは、ビジネスのヒエラルキーでは、それでも十分な報酬が得られるからだ。だが、勘違いしてはいけないことがある。一流で満足するのと、超一流を目指して一流にとどまるのでは、まるで世界が違うということだ。つまり、一流で満足していれば、すぐに二流に転落する可能性がある。若田氏の言葉を借りれば、「本来の目的に集中する」ためには、その裏で尋常でない努力が必要ということだ。

一流を維持するのに一流の努力では、いつ足元をすくわれるか分からない。一流に上り詰めたなら、超一流を目指す。それで初めて、超一流への道へつながるし、一流をキープし続けられる。その意味では、上位に君臨し続けるためになにより重要なのは尋常でない努力はもちろんだが、強靭なメンタルといえるのかもしれない。

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