働き方

働きながら介護を続ける理想のカタチとは【瓦の目】

投稿日:2016年7月8日 / by

介護ゼロ実現社会の課題とは

2020年までに「介護ゼロ」を目指す安倍政権が、介護と仕事の両立に向け、アクセルを踏み込んでいる。介護休業制度は1995年に育児介護休業法に盛り込まれスタートしたが、利用率は3%とほとんど機能していないのが実状。背景には不十分な認知や見極めの難しさ、取得のしづらさなどがある。

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少子高齢化が進む中、人材不足は深刻だ。特に親の介護に直面するミドル以降の世代の介護離職が今後、さらに増大することが確実な情勢となっている。企業の中枢を担う世代だけに、離職のダメージは小さくなく、国としても放置しておけない状況にある。

現状は取得すれば最長で93日の休暇がとれるが、一人につき1回しか取得できない。そうなると、どうしても状態を見極めながらの取得となる。だが、介護の性質上、それも簡単でなく、結果的に取得を躊躇しがちになる。そこで、これを分割でも取得可能とするなどで、取りやすさに配慮する。こうした入口の部分の改善をした上でさらに、大きなネックとなっている適応要件の緩和にも着手する。

介護状態の判断を分かりやすく

これまでに有識者による研究会で取りまとめられた事例では、「要介護2以上」は取得できると明確化。要介護1以下でも「なにかにつかまれば歩行できる」や「衣類の着脱に一部介助、見守り等が必要」。また、「意思の伝達がときどきできない」や「外出すると戻れないことが時々ある」など、比較的軽めの症状でも2つ以上、「座位保持ができない」、「移乗に全面的介助が必要」、「薬の服用に全面的介助が必要」など重い症状の場合は、1つ以上該当すれば、「常時介護を必要する状態」と判断。実情に合わせた基準に改める方向で調整が進められている。

有識者による研究会で介護休業制度における常時介護を必要とする状態に関する判断基準が議論された(2016年7月8日:都内で)

有識者による研究会で介護休業制度における常時介護を必要とする状態に関する判断基準が議論された(2016年7月8日:都内で)

時間軸が明確な育児と異なり、終わりが見えづらい介護は、制度が整備されていても、取りづらく、取得しても重荷となり結果的に離職へつながるケースも少なくない。介護休業制度の他、在宅勤務やリモートワークを導入する企業が増えるなど、ビジネスパーソンの在宅介護への環境整備は着々と進んでいるが、だからといって、介護離職がゼロになるとは思えない。なぜなら、介護と仕事の両立は続くからだ。子育ての次は介護。息つく暇がなく、どうしても苦役に思えるが、それを緩和するカギがあるとすれば、“一億総協力”の助け合い社会の実現、ということなのかもしれない…。

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