働き方

食いっぱぐれないために持っておくべき大事なものとは

投稿日:2017年2月6日 / by 瓦版編集部

46歳で失った信用と得た“信用”

私は学生時代に、初めてクレジットカードを作りました。20代で車を買い、初めてローンを組みました。25歳で会社を作り、27歳の時には銀行借り入れもしました。46歳のとき、20年間経営した会社を潰し、自己破産しました。金融機関における私の信用は、地に落ちました。もちろん、借り入れなど出来ません。ローンも組めないし、クレジットカードも作れなくなりました。
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それでも、私に仕事を依頼してくれる人がいます。私を信用して、先にお金を振り込んでくれる人もいます。金融機関には、今も信用されていません。でも目の前のお客さんは、わたしを信用してくれているのです。

お客さんは、わたしの何を信用してくれているのでしょう。性格でしょうか。人間性でしょうか。それともスキルでしょうか。もちろん、その全てだと思います。でもやっぱり、一番大事なのはスキルです。お客さんの役に立つスキル。それがあるから仕事を発注し、お金を払ってくれるわけです。

では、スキルがあることを、どうやって判断しているのか。それは、今までやってきた実績です。会社を作り、商品を作り、売上を作った実績。会社を潰し、自己破産し、大失敗した実績。もちろん、失敗した実績は、プラスにはなりません。明らかにマイナスな情報。全てのお客さんは、その事実を知っています。知って尚、仕事を依頼してくれるのです。それは、実績があるからです。成功も失敗も、全て含めた実績。

金融機関の信用ゼロでも生活に困らないワケ

当たり前のことなのですが、今のわたしは20代の頃よりも仕事が出来ます。知識もあるし、経験もあるし、スキルもある。だからお客さんは、仕事をくれるのです。

金融機関は、20代の私にお金を貸してくれました。まだ何の実績も無い、経営も何も出来ない、そんな若造の私に、貸してくれました。それは、私がまだ失敗をしていなかったから。スキルがあることよりも、失敗していないことを評価する。それが金融機関の査定基準なのです。

でも顧客の査定基準は違います。顧客の評価は、役に立つかどうか。つまり、私にスキルがあるかどうかです。

こんなことを言ったら怒られそうですが、私はまったく生活に困っていません。ローンは組めませんが、飛行機にも、新幹線にも乗れます。美味しいご飯も食べられるし、高級旅館にだって泊まれます。

自己破産して気がついたこと。それは、お客さんこそが、生きる糧だということ。誰かの役に立てる限り、絶対に仕事はなくならないのです。銀行の信用よりも、社会の信用よりも、目の前の顧客の信用こそが、何よりも大事なのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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