働き方

人生100年時代をブレずに生き抜くためにインプットしておくべき3つの方程式

投稿日:2017年7月11日 / by

生涯現役を楽しみながら歩むためのヒント

終身雇用制の崩壊と年金制度の破たん余波で、せっかくの寿命延伸も不安要素になり兼ねない状況だ。65歳前後の定年をゴールに頑張ってきたビジネスパーソンにとって、余生なく働き続ける生涯現役へのシフトは、決してウェルカムではないだろう。だがもはや、人生100年時代はすぐそこまで到来している。ライフプランの再設計は、必須といえる状況だ。前人未到の長寿社会をスマートに生き抜くための拠り所はないものなのか…。先ごろ行われた、人生100年時代を生きるをテーマにしたイベントで、登壇した識者や当事者の声から、生涯現役時代をブレずに歩み続ける3つの方程式がみえてきた。

長寿化に反比例して悪化する社会環境でどう生きるべきなのか

1947年に男性の平均寿命が50歳(女性=54歳)を超えて70年。いまや、100歳まで生きることが当たり前になりつつある。長寿化は喜ばしいことに違いない。だが、それを取り巻く環境は、決して恵まれているとはいない。定年延長の動きが増える一方で、企業寿命は短命化。事実上、終身雇用制は崩壊している。老後の安定収入として期待される年金も制度が破たん。よほどの貯蓄がある一部シニアしか、いわゆる“余生”など夢のまた夢だ。

20代、40代、80代のフリーランスがそれぞれの思いを語った

そこで叫ばれるのが生涯現役。何かに頼るのでなく、自分で稼ぐ。稼ぎ続ける。それが最もスマートな働き方であり生き方という論調だ。とはいえ、企業が100歳まで雇ってくれる可能性は限りなくゼロに近い。そもそも、十分に戦力として活躍できるほどの体力もない。一体どうすれば、そんなことが可能なのか…。よぎるのは不安ばかり。多くの人が途方に暮れるのも無理はないだろう。そこで、人生100年時代にインプットしておくべき3つの方程式を提示する。

・モチベーション=100-年齢+経験

・モヤモヤ=夢÷チャレンジ回数

・現在地=年齢×12÷16

気力の総量は、加齢でも不変である

【モチベーション=100-年齢+経験】
ひとつずつ解説しよう。人生100年時代。できるモノなら生涯現役でバリバリ頑張り続けたい。だが、老いによる体力低下は抗いようがない。現在82歳のフリーランス・島村泰治氏は、こんなことを言う。「人間は生まれたときからやる気の量が決まっている。年を取れば体力が落ちるが経験が増す。だから、総量は変わらない」。つまり、モチベーションは、年齢と共に減少する。一方で、経験値がアップすることでそれを補う。それが、最初の方程式だ。島村氏はその上で「いちばん大事なこと」として、「健康であること」と力を込めた。

挑戦をしないことが、人生の視界を曇らせる

【モヤモヤ=夢÷チャレンジ回数】
二つ目の方程式は、生涯現役を実現する上で重要な意味を持つ。会社員にとって、この不透明な時代に明確に30年後を見通すのは極めて困難だろう。だから多くの人は思っている。「いまのままいいのだろうか…」。そうやってモヤモヤしながら、ズルズルと会社員を続けている人は少なくないハズだ。それを吹き払う答えはハッキリしている。行動することだ。やりたいことに向ってチャレンジすることで、モヤモヤは薄れていく。小さなことでも数を重ねれば、どんどんモヤは晴れ、視界が拓け、会社に頼らない働き方に近づくことになる。

20代の山田祐太氏も40代のフリーエンジア・石水修司氏も「独立に踏み切るの怖い。でも、行動しなければ何も手に入らない」と述懐。それでも、恐怖以上にやりたい気持ちを強く持ち、綿密に計画を立て、それらをひとつひとつクリアしながら、ブラ下がり人生を脱却。生涯働き続けられる地盤を構築している。

人生100年時代の立ち位置は16進法が分かりやすい

【現在地=年齢×12÷16】
3つ目は、現在の立ち位置を知る上で、非常に分かりやすい数式といえる。提示したのは、ランサーズ代表の秋好陽介氏。「人生100年時代を具体的に実感するには難しいが、現在の12進法から16進法にすると分かりやすい」と提言。例えば、40歳なら、「40×12÷16=30」となり、人生100年時代にあてはめれば、現在30歳くらいというわけだ。この感覚でいると、“現在地”が把握しやすく、行動指針を描きやすくなる。まだ30歳というよりも、いま30歳の感覚で、人生100年時代のキャリアプランを設計すれば、現実的なイメージもしやすくなる。

人生100年時代は16進法がフィットすると提言したランサーズ秋好社長

前人未到の人生100年時代を生きるバイブル本といえる「ライフシフト」は、教育→勤労→引退という3つのステージを生きる時代が終わったことを示し、新たなキャリアプラン構築のヒントを記す人生の設計書となっている。イベントに登壇した3人のフリーランスは、勤労→引退ではなく、そこから「引退」を削除し、自分の意志で働き続けられるルートにシフト。すでに生涯現役時代に対応したワークスタイルを実現している。

もちろん、フリーランスになることだけが、人生100年時代のベストアンサーではない。それでも、ひとつのスタイルとして有力であることは確かだろう。今後、いくつになっても働ける会社が出てくる可能性もあるかもれない。だが、前人未到の領域となるだけに、先は全く分からない。分からないから不安になる。その意味では、何かに頼る生き方は、不安と共生するといっても過言でないかもしれない。となればせめて、いまからでも徐々にぶら下がり体質からの決別を意識し、自分以外のものに頼ることを止める。それだけでも、長い道のりとなる人生を少しはラクに歩めるようになるかもしれない。

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