働き方

会社を潰しても世間の評価が下がらなかった理由

投稿日:2017年10月23日 / by

変人・安田の境目コラム

会社が潰れてよかったこと

会社が潰れてしまったこと。50歳を過ぎて、じいさんになったこと。それ自体は嬉しいことではありません。でも、良い事だってあるのです。その一番は、人目を気にしなくなったこと。私は目立つことや、比較されること、競争することが、大嫌いなのです。でも社長でいれば、それは許されません。社長は会社の広告塔であり、優秀そうに見せなくてはなりません。常に競合他社と競争し、業績を比較され、勝ち続けなくてはなりません。出来る社長と思われること。良い会社だと思われること。それが必須条件だったわけです。会社が潰れるまでは。

デキる社長イメージ

しかし、状況は一変しました。何しろ会社を潰したわけですから。一番ダメダメな経営者。それが私に対する評価となったのです。もちろん、「悲しいな」と思いました。私だって人間ですから。凄いなー、とか、立派だなー、とか、たくさんの人に言われたいです。でも、ほっとした面もあるのです。だって、自分ではよく分かっていた訳ですから。ぜんぜん凄くないことも、まったく立派ではないことも。社会での評価がおもいっきり下がり、おまけに50歳を過ぎて、じいさんになった。嬉しくはありません。でも、とても楽になりました。

他人は、自分に対し思うよりずっと無関心という事実

世間の評価が下がったからではありません。私自身の心が変化したから、楽になったのです。世間は私のことなど、元から何とも思っていないのです。自分を縛っていたのは、自分自身だったのです。俺は優秀なのだ、と自分に言い聞かせ、世間からもそう見られているのだと、思い込み、オシャレで若々しい優秀な経営者を演じているつもりだったのです。でも、単なる思い込みでした。世間の評判は、そんなに落ちませんでした。なぜなら、元からそんなに高くなかったから。自分が思うよりずっと、他人は無関心なのです。

業績や、オフィスや、見た目のかっこよさ。私は、そういうものに囚われていました。でも今は、外見(人からの評価)を、まったく気にしなくなりました。

とは言え、努力しなくなったわけではありません。もっとカッコ良く、もっと優秀な人間に、なりたい。ただ、その尺度が、外から内に変化したのです。見た目にはまったく成長が感じられない。でも、自分だけには分かる、内面の変化。そういう変化を繰り返す自分が、好きなのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)

yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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