働き方

人生の本質は自分を編集することにあり

投稿日:2018年1月9日 / by

変人・安田の境目コラム

自分を編集するチカラが重要な理由

自分を編集する力。それは、とても重要なスキルです。自分を知り、自分を卑下せず、過大評価もせず、自分という素材を編集するのです。

私自身も、私という素材を編集しています。安田佳生とは、何ぞや?安田佳生は、どう扱ってやれば、喜ぶ?何をやったら、ふてくされてしまう?

自分に質問し、自分を客観視し、自分の頭で考え、自分自身を編集する。これは、なかなか大変な作業です。でも、これこそが、人生の本質なのです。

私が自分を編集し始めたのは、最初の本を出した頃です。本を出したことによって、著者としての安田佳生が誕生したのです。それは、読者から見た安田佳生像。現実には存在しない、架空の人格。言いにくい事でも、ズバッと言う。強く、エネルギッシュな、経営者。

それは、現実の私とは、似ても似つかぬものでした。現実の私は、とても気弱な人見知り。でも、世間のイメージは違いました。

自在に自分を創り上げることで拡がる可能性

ここで初めて私は考えたのです。安田佳生を編集しようと。もっと会社の売上に繋がるように、安田佳生を作ってしまおうと。

私が編集した安田佳生は、斬新なアイデアを持つ、切れる経営者。講演で、著書の中で、一生懸命にそれを演じました。効果はありましたが、しんどかったです。イメージはどんどん広がっていきました。でもそれが突然、終わりを迎えたわけです。会社の終わりとともに、私が演じた安田佳生も終わったのです。

その後、元ワイキューブ社長となり、私は自分を再編集しました。会社を潰したダメな経営者として。境目研究家という世捨て人として。

新しい安田佳生は、とても楽でした。見下されることも、馬鹿にされることも、結構平気でした。なぜなら私は、元々そのような人間だったからです。

でも、それを3~4年やっているうちに、何か違うな、という気がして来たのです。最初の編集で、私は自分を大きく見せ過ぎました。そして2度目のときは、自分を卑下し過ぎたのです。

私は今一度、安田佳生を編集し直すことにしました。もっと楽しく、もっと等身大の安田佳生に。まだ編集中なので、どんな自分になるのか、分かりません。でもひとつ、確かなことがあります。それは、新しい安田佳生に、私自身が期待しているということ。人は何度でも、自分を編集し直すことが出来るのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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