働き方

会社に縛られない生き方を実践する正しいスタンスとは

投稿日:2018年8月27日 / by

変人・安田の境目コラム

ニュートラルになって見えてきた不惑の働き方

社員を冷たく突き放す、とか。社員ごと会社を売ってしまう、とか。そんな酷いことが出来るか!と昔は思っていました。でも今は違います。今だったら平気で「辞めたら」と言えます。今だったら平気で会社を売ってしまえます。なぜなら今の方が、ずっとニュートラルだから。

自分が面倒を見るべき、という錯覚。自分が社長をやるべき、という錯覚。全ては単なる思い込みなのです。嫌ならやめればいいし、辞めさせればいい。今は心からそう思います。

結局私は、社員を大事にしているようで、彼らを見下していたのかもしれません。自分が一生、彼らの面倒を見るのだ、などというのは単なる思い上がり。そんなことは誰にも出来ないのです。

社長とは、社長という立場で仕事をする、単なる一人の労働者に過ぎません。お金を出して、組織を作って、利潤を得る。それもまた、出資者の正当な仕事なのです。そこには善人も悪人もない。

経営者の呪縛が歪めた判断の基準

私にはずっと後ろめたさがありました。社員から搾取しているのではないか、という後ろめたさ。それが私の判断を歪めた面もあります。それは誰の為にもなりませんでした。

社長でなくなった後、私は労働に特化しました。仕組みや権利収入ではなく、現場での労働収入だけで稼ぐ。そうやって六年が過ぎました。確かに労働収入は清々しい。後ろめたさが全くない。でもそういう生活をしているうちに、呪いが解けてきたのです。私を縛っていた、経営者の呪い。

結局私は歪んでいたのです。社長でいた時も、社長をやめた後も。今ようやくニュートラルになって思うこと。それは「どっちでもいいじゃん」ということ。

私はこれからも、労働者として労働収入を稼ごうと思います。でも経営者として、権利収入も稼ごうと決めました。どちらかに決める必要などないのです。

会社に縛られない生き方。それは会社を否定することではなく、会社に依存することでもなく、適当に会社とつき合うという生き方。肩の力を抜いて、やるべき事をやって、堂々と金を稼げばいいのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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