
なぜストイックな人ほど人生の成功をつかめるのか
変人・安田の境目コラム
ストイックの本当の意味
ここ数年でしょうか。私のことをストイックな人間だと、言ってくれる人が増えました。正直、自分で笑ってしまいます。
怠け者、怠惰な人間、堕落しきっている、努力のできない人、落ちこぼれ…。子供の頃から、努力という言葉とはもっとも遠いところにいた私。その私が、ストイックだなんて。人生とは不思議なものです。
いや、実は不思議でも何でもない。そう、これが普通なんです。勉強して、いい学校を出て、先生になった。そういう人たちから見れば、勉強することはストイック。遊ぶことは単なる堕落。
じゃあ、野球ばっかりやっている人は?サッカーばかりやっている人は?ピアノやバイオリンばかりやっている人は?ストイック?それとも堕落?
野球やサッカーにはプロがある。ピアノやバイオリンにもプロがある。でもテレビゲームにはプロがない。単なる遊びには先がない。彼らはそう信じていたのです。
夢中になれる時間が長いこと=至高の人生
でも違ったみたいです。だって今やゲームにもプロがいる。同人誌やコスプレで遊んでいた人が、その遊びでお金を稼いでしまう。勉強も、メジャースポーツも、マイナースポーツも、将棋も、ゲームも、鬼ごっこも、全部同じ。分野はまったく関係がない。どうやらそれが真実だったみたいです。
脇目も振らず、やり続けること。それをストイックと言うのです。勉強だろうが、音楽だろうが、遊びだろうが、どれでも同じ。重要なのは分野ではない。真剣にやっているのか、それとも適当にやっているのか。違いはそれだけ。
こんな簡単なことが、なぜ今まで分からなかったのでしょう。いや、今でも尚、分かっていない人がたくさんいます。
夢中になれるものに時を費やす人生。それ以上の成功など、あるのでしょうか。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
