働き方

頭の回転が速いことは本当にいいことなのか

投稿日:2019年1月7日 / by

変人・安田の境目コラム

頭の回転が遅い人の脳みそはどうなっているのか

頭の回転が速い、というのは褒め言葉です。頭の回転が遅い、というのは褒め言葉ではありません。でも実際にはどちらにも、異なった価値があるのです。そもそも頭の回転とは何なのか。それを考えてみましょう。

頭の回転とは、答えにたどり着くまでのスピードです。だったら速いほうがいい。確かにそういうケースもあります。たとえば船が沈みそうな時。今すぐベストな方法で、助かる方法を見つけ出す。そういう時には速さが重要です。

頭の回転が遅いとどうなるのか。答えにたどり着くのに時間がかかります。まっすぐに答えに向かわない。すぐに回り道し、寄り道してしまう。たとえば、こんなことを考えます。そもそも、なぜ船が沈んだのか。そもそも、なぜ船に乗ったのか。緊急時には致命的な回り道です。

だけど、とても大事なことなのです。本当ならば船に乗る前に、考えておかなければならなかった。でも考えなかったこと。

頭の回転が速い人と遅い人の境目

そもそもなぜ、頭の回転が速い人は、答えにたどり着くのが速いのか。その理由は二つあります。まず、情報処理速度が速い。これはとってもいいこと。そして、無駄な回り道をしない。これは場合によっては良くないこと。

無駄な回り道をしないと、今回の到着時間は短縮できます。でも新しい道は発見できません。新しい出会いも生まれません。

無駄な回り道をすると、今回の到着時間は遅れます。でも新しい道が発見できるかもしれない。新しい出会いがあるかもしれない。

つまりどちらも、必要で価値のあることなのです。ショートカットが得意。それは「寄り道をしない」という能力。ショートカットが苦手。それは「寄り道ができる」という能力。

自分の能力を見極めること。能力は人それぞれなのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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