働き方

高齢社会にフィットする人事制度をファンケルが新設

投稿日:2019年2月5日 / by

人生100年時代はもはや必然の潮流といえる。年金受給の開始時期のスライドは、まるで曲がりかけたシニアの背中を飲み込まんばかりにみえない圧としていやらしく機能している。大きな背景に人口減少もあり、もはや働けるうちは働き続けることが世の常識となりつつある。

人生100年時代に対応するアソシエイト社員とは

介護や療養にも対応個人ついては働き続ける意思は強いという調査データがある。一方、企業側に目を向けると、こうした流れに必ずしも積極的ではない印象がある。総論で賛同しても、社員個々の状況にきめ細かく対応するとなるとあまりに煩雑になるという判断があるのかもしれない。そもそも企業が短命化しており、人生100年時代に対応できる状況にないという事情もあるだろう。

そうした中で、ファンケルが2019年4月より新設する新たな人事制度「アソシエイト社員」は、人生100年時代の企業と社員の関係性にひとつの方向性を示すものといえそうだ。

同制度は、介護や長期療養が必要な身体の病気、身体障害をかかる社員が、希望する時間や日数で柔軟に勤務できる新しい雇用区分。そうした社員を拒絶するのではなく、まず受け入れ、勤務状況は個々の判断に委ねる。多様な人材を活かす、まさに従業員主体の働き方を強くサポートする仕組みであり、いつまでも安心して働くことを企業が保証する人事制度といえるだろう。

「事情があっても安心して働き続けられることにこだわり、正社員としての雇用区分にしています。待遇は、欠勤分は報酬がなかったり、賞与の査定に影響はありますが、ベースは正社員と変わりありません」と同社人事部長の永坂順二氏は説明する。

正社員なのに介護も長期治療もOK

労働時間は週最低20時間となっており、期間は例えば介護や疾病の場合、必要がなくなるまで適用される。こうしたブランクの空け方は、かつてならあまり好意的に受け入れられなかったが、同社ではむしろ「なぜうちでやらないのか」という声が現場から上がるほど、ダイバーシティを許容する風土が浸透しており、全く問題がないという。

同社では、人事戦略として人材育成、健康経営、ダイバーシティの3つを柱にさまざまな人事施策を実施している。再雇用の年齢制限撤廃、女性活躍の推進、店舗契約社員の正社員化など、働く上での不安を解消を軸に働きやすさを徹底追求。いわゆる働き方改革における施策はほとんど網羅している。

こうした取り組みは業績には直接関係しない。だが、従業員が幸福であることが結果的に業績向上に連動することが証明され始めている。同社でも採用面で明確な成果がみられるなど、人事戦略が会社の成長につながる要素にしっかりと寄与している。

人生100年時代に企業は何をすべきか。難しい命題だが、確実にいえることは社員をミクロに捉え、その最大化を図ること。それが職場を活性化し、結果的に業績を向上させ、企業寿命を延ばすということだ。

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