働き方

絶望と絶頂を味わったものを襲う不安の正体とは

投稿日:2019年5月13日 / by

失うものがない人は強い

勉強できない。スポーツできない。友達いない。そういう私は強い人。失うものがない人は強いのです。

大都会社長である。社員がいる。お客さんがいる。そういう私は弱い人。失うものがある人は弱いのです。

失うものがない時代。失うものがある時代。その両方を経験して思うこと。それはやはり、持たないものの強さです。失うものがない強さは格別です。でも私にはもうムリなのです。なぜなら私は持ってしまったから。今はもうないけど、一度手にしてしまったから。

会社をつぶして失ったもの

一度でも手にすると、人はその記憶に支配されてしまう。それが私の実感でしょうか。もともと何も無かったのに、あることが基準になってしまうのです。あることが普通。ないと不満。あるいは不安。多くの人はこの状態に、囚われているのだと思います。

今の私も同じです。ない時はまったく平気でした。でも一度手に入れてしまった。そして失った。失ったことによる不安と喪失感…。

でも私が失ったものって、一体何だったのでしょう。会社でしょうか。事業でしょうか。社員でしょうか。顧客でしょうか。

正直私も悩んでいました。なぜ不安なのか、何が喪失感をもたらすのか、それが分からない…。

でもようやく、その正体が分かってきました。私が失ったもの。喪失感をもたらしているもの。その正体は既得権でした。

既得権なんて大嫌い。ずっとそう思っていました。でも失くして初めて気がついたわけです。自分が既得権に守られていたという事実に。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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