働き方

【瓦版 働き方相談室】定年まで働くか早期リタイアか…

投稿日:2014年2月25日 / by

jijiiQ:定年まで全うすべきか…

「定年退職まであと15年以上。会社は比較的安定しているが、こんなご時世だし、早めにリタイアして新たな一歩を踏み出すか、定年まで全うすべきか迷っています」(51歳会社員)

◇ポイント
・心のリタイアをしない
・いつまでも目標を持ち続ける
・再チャレンジは慎重に


A:定年までしっかり働くなら、周囲と調和を図り、心のリタイアをしないこと。

かつてとは違い、表立ってはなくとも、高齢社員への風当たりはやさしくありません。リストラの対象のほとんどが40代以降であることをみても、中高年は“整理”したい年代なのは確かなのでしょう。高給なのに仕事をしない…冷たい視線が刺さります。目の敵にされることなく、若者や中堅社員とうまくやっていくには、しっかりとした気持ちを持って周囲と調和し、自身のキャリア継承にも積極的になることが大切です。

70歳まで現役をキープする働き方

▽居辛さを仕組みで解消

・定年の延長によって、正社員から契約社員に切り替わるシニアワーカーが増殖します。時には昨日まで部長が、元部下の配下で働くことも珍しくなくなるでしょう。こうした場合、使う側に使いにくさが発生します。例え肩書はなくなっても上司としての残像はそう簡単には消えないからです。企業によっては、うまい仕組みの導入でこうした問題を回避しているところもあります。

定年延長で発生する課題をクリアする取り組み

▽定年どころが生涯現役を目指すなら

・65歳なのか、70歳なのか…。いずれにせよ定年を全うするのは立派なことです。会社員としてそうした人生もありでしょう。しかし、そこだけを目標にすることは非常に危険です。なぜなら、リタイアした途端、何をやっていいかわからなくなるからです。70歳まで勤め上げる。そう決めたなら、同時にそのあと何をするかもしっかりと計画しましょう。妻と世界一周、というのはダメですよ。そうではなく、フルマラソンを完走するとか弁護士になるとか、少し困難かもしれないが、達成も可能な目標を設定するのです。定年後も働き続ける、という目標もありでしょう。それだけの意欲があれば、年齢に関係なく会社も雇用を続けるハズです。

生涯現役を続けるたった一つの方法

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▽早期リタイアで起業するなら

・早期リタイアした場合、なにをするのか。多いのは、人脈を使っての転職ですが、いい年をして使われる身はもういい、という人も少なくありません。その場合、それまでのキャリアを活かした起業という選択肢もポピュラーです。とはいえ、会社員時代と違い、資金も設備も人脈も不足していることを痛感し、失敗に終わるケースもよくあります。虎の子の退職金をムダにしないためにも、新たな一歩を踏み出す時には、より慎重さが求められることを肝に銘じておきましょう。

シニアの起業支援するサービス シニア人材活用した海外支援進出サービス

株主優待券生活者

60歳を過ぎ独身で主に株主優待券で生活しながら人生を楽しむ桐谷氏

▽学びなおす(リカレント教育)

・社会人を四半世紀以上経験すれば、それなりのスキルは身につきます。しかし、専門性がそれほどない企業の場合、それなりにビジネススキルは習得していても、実際、自分を売り込むときにどれほどの価値があるのかと考えると、実は何もなかったりします。「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」と後悔しても先には立ちません。しかし、その気になれば、チャンスはいくらでもあります。リタイアしてからでももちろん、仕事を続けながらでも学びなおす機会はあります。学びなおすことで、新たなキャリアが身に付き、新たなチャンスが目の前に広がってくるのです。

社会人に学び直しは必要か

そもそも定年制はどうなるの?

・少子高齢化の推移からいけば、定年制は有名無実化の方向へ進んでいるというのが現状です。なぜなら、若い労働力が減少し、高齢者が増えている。その意味では定年は延長するのが自然ですが、一方で国内市場の縮小とグローバル資本主義の進展で企業の寿命は縮んでいます。従って、定年を延長すべきですが、企業にその体力がありません。定年まで全うする、と確実にいえるのはせいぜいいま55歳以上のベテラン社員くらいが限界かもしれません…。

定年制はどこへ行く なぜいま新しい働き方なのか

【まとめ】

今後、相談者のように50前後で、自身の進退をどうすべきかと考えるワーカーは増殖するだろう。なぜなら、エリートコースに乗っていなければ先はなく、確実にリストラ要員。そうでなくとも、企業の体力は下落しており、リストラどころか会社そのものがいつ倒れてもおかしくはないからだ。ズルズルいって結局定年まで残れたということもあるだろうが、今やその定年もどんどん伸びている。惰性だけで定年を迎えた人間が、実はゴールはまだ先だったと知り、走り切れる気力があるだろうか。仮にあったとしても、さすがに企業からお払い箱にされるだろう。こうした現実を予見して、早期リタイアを選択し、さっそうと企業の道を歩んだとしてもこの時世では、成功確率は低いといわざる得ない。こんな時は“武器”が頼りになる。自分にはない、という人も多いかもしれないが、いまは、ニッチでも“換金”しやすい環境が整っている。迷っている暇があるなら、武器を再確認し、磨き上げることだ。

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